1月27日、衆議院選挙が公示され、いよいよ国の進路を選ぶ選挙戦が本格的に始まりました。
この日、取手駅前には、多くの人の足が自然と止まる、静かでいて力強い街頭演説の時間が流れていました。
中道改革連合の共同政調会長である 岡本みつなり 氏が、茨城3区から挑戦する中道公認候補、かじおか博樹 候補の応援に駆けつけ、取手駅前で直接、有権者に訴えかけたのです。
岡本氏の街頭演説で繰り返し語られていたのは、「中道」とは決して曖昧な立場ではない、という明確なメッセージでした。中道とは、対立を避ける姿勢でも、どちらにもいい顔をする態度でもありません。そこにははっきりとした価値観があり、その中心に据えられているのが「生活者ファースト」です。
経済政策も、安全保障も、社会保障も、いずれも日本にとって欠かせない重要なテーマです。しかし岡本氏は、それらはすべて目的ではなく手段にすぎないと語ります。政治の唯一の目標は、国民一人ひとりが自分らしく、安心して、豊かに暮らしていける社会を実現すること。そのためにこそ政策があり、制度があるのだという、政治の原点を思い出させる訴えでした。
その具体例として語られたのが、消費税、とりわけ食料品にかかる軽減税率の問題です。軽減税率は、単に2%の差をつけるための制度ではありません。生きていくために欠かせない「食べるもの」については、できる限り税の負担を軽くしたいという、生活者の実感から生まれた仕組みです。岡本氏は、財源が確保できるのであれば、軽減税率はさらに引き下げ、最終的にはゼロを目指すべきだと明確に語りました。
世界に目を向けると、日本の食料品に対する課税は決して低い水準ではありません。福祉の視点、生活の視点から見直す余地は大きく、この問題は「経済対策」ではなく、「暮らしをどう支えるか」という政治の姿勢そのものが問われているテーマだと感じさせられます。
では、その財源をどう確保するのか。ここで岡本氏が示したのが、「令和の財源改革」、そしてジャパンファンド構想です。これまで日本では、何か新しい政策を行おうとすると、増税か国債発行という選択肢に頼りがちでした。その結果、負担は将来世代へと先送りされてきました。
しかし日本には、これまでの先人たちが積み上げてきた膨大な政府資産があります。その多くが、十分に運用されないまま眠っているのが現状です。デフレ時代にはそれでも問題になりませんでしたが、インフレの時代に入った今、「何もしないこと」そのものが国民の財産価値を目減りさせるリスクになっている、という指摘は非常に現実的です。
年金積立金の運用が、長年にわたり大きな成果を上げてきた事実は、その象徴です。安全性を重視しながらも、適切な運用を行うことで、国民の大切な資産を守り、増やしてきました。その知見とノウハウを、活用されていない政府資産にも生かし、その運用益を生活者支援に振り向けていく。消費税の軽減、さらにはゼロ税率の実現も、決して夢物語ではないという説明には、数字と実績に裏打ちされた説得力がありました。
そして街頭演説の後半で、岡本氏はもう一つ、日本政治の根幹に関わる重要な問題を提起しました。それが、中道改革連合の衆院選マニフェストに明記された「解散権の明確化、国民置き去りの衆院解散に歯止め」というテーマです。
衆議院の解散は、本来、内閣が国民の信を問うための制度であり、民主主義を健全に保つための重い権限です。しかし近年、その解散が、総理大臣の個人的な都合や党内事情、党利党略によって行われているのではないかという疑念が、国民の間に広がっています。
今回の衆院選にかかる公費は、実に855億円に上ります。これは政治家や政党のためのお金ではなく、私たち国民一人ひとりが負担している大切な税金です。その重みを考えれば、十分な説明もなく、生活実感や社会課題と切り離された形で解散が行われることは、到底許されるものではありません。選挙は「政治家のためのイベント」ではなく、「主権者である国民が意思を示す場」であるはずです。
現行憲法のもとでは、衆議院の解散権は内閣に広く委ねられています。そのため、「なぜ今なのか」「何のための解散なのか」という判断が、どうしても総理の裁量に依存してきました。その結果、国会審議の空洞化や、政策論争よりも選挙日程を優先する政治文化が生まれてきた側面は否めません。多くの国民が抱く「またか」という疲労感は、こうした構造的な問題の表れだといえるでしょう。
だからこそ、「解散権の明確化」は、単なる制度論ではなく、民主主義の原点を問い直す提案です。どのような条件のもとで解散が認められるのか、国民に対してどのように説明責任を果たすのか。ルールを明確にすることは、政治を縛るためではなく、政治への信頼を取り戻し、本当に必要な場面で国民の判断を仰ぐための土台づくりに他なりません。
取手駅前での街頭演説は、派手な言葉や感情的な煽りとは無縁でした。しかし、生活者の目線に立ち、数字と現実をもとに語られた一つひとつの言葉は、静かに、しかし確実に胸に響くものでした。
政治を国民の手に取り戻す。その覚悟と方向性を、はっきりと示した街頭の時間だったと感じています。
