地方自治体の借金である地方債の住民一人当たり残高(平成17年度末)について、4月8日、共同通信社が総務省の資料をもとに集計、公表しました。
それによると、離島や山間部など「条件不利地域」が残高が多額になっている傾向が顕著で、もっと多い鹿児島県十島村で1152万4072円、反対に最も少ない佐賀県玄海町は2万2538円と、500倍もの差があることが分かりました。地方債には国がその返済の一部を地方交付税で補填する仕組みもあるため、自治体によっては国の支援を積極的に受けるために、有利な条件の地方債を積極的に活用してきた経緯もあり、90年代中頃からか急激に残高が増高傾向にあります。
離島や山間部等の条件不利地域の自治体は、もともと税収が乏しい上、債務の返済が財政を圧迫し、行政サービスの低下も懸念されるています。
ちなみに最多の十島村は、12の島が南北160キロに点在する離島の村。人口600人余りで、村の地方債残高は73億円に達し、調達した資金の多くは港湾整備に使われています。
最も少なかった玄海町は、人口約6800人ですが、町の地方債残高はわずかに1億5000万円余り。九州電力の原子力発電所の固定資産税収入などが財政を支えています。
茨城県内最多は、常陸大宮市の61万円強
県内で住民一人当たりの地方債残高が最も多いのは常陸大宮市の61万2038円で、逆に、最も少ないのは美浦村の18万6335円。全国市区町村の中では、常陸大宮市は683番目、美浦村は1783番目となりました。
常陸大宮市に次いで残高が多いのは城里町の58万1072円で、五霞町の55万3557円、大子町の49万479円、常陸太田市の48万5914円と続き、ワースト5番目までに県北山間地域の4市町が入りました。
一方、美浦村に次いで残高が少ないのは古河市の22万7195円で、神栖市24万1673円、東海村24万7320円と続き、地域内に大規模な企業や研究施設などが立地しているといった安定的に財源を確保している市町村が目立ちます。
残高総額でみてみると、水戸市の1070億2900万円、つくば市614億8200万円、日立市599億1200万円など、やはり人口規模の大きな市が突出しています。
また、県の地方債残高は1兆6848億6200万円で、県民一人当たりの残高は都道府県別で36番目の56万3776円となっていました。