12月2日、高齢化が進み山側に団地などが連なる日立市は、スーパーや商店が近くにない地域で、高齢者など買い物弱者を支援しようと、「移動スーパー実証実験」をスタートさせました。この日は、市役所前で「移動スーパー」の出発式を行いました。食料品や日用品約400品目を満載した専用の移動販売車2台が南北両地区に分かれて本格的に巡回を始めました。2015年9月まで実証実験を継続し、結果を踏まえて巡回場所や滞在時間などの見直しを図ることにしています。
実証実験を受託したのは、つくば、取手両市で移動スーパーの運営実績がある食品スーパー・カスミ(つくば市)と地元日立市で環境サービスやコンビニ(ファミリーマート)を運営する日和サービスの2つの事業者です。
移動スーパーが巡回する場所は、高齢化率が市内平均の26%を超え、スーパーや商店などが撤退した地域を中心に計47カ所選びました。南部地域はカスミが担当し、月曜から金曜日の週5日間で12箇所を巡回します。北部地区は日和サービスが担当。月~金曜の5日間で15箇所を回ります。両地区とも1日4~7カ所回り、それぞれ20分程度滞在します。1カ所当たりの巡回数は週に1~2回となります。巡回する場所は、地元の小売店の状況や他の移動小売サービス事業者との兼ね合いも考慮して検討しました。
取り扱う商品は、野菜や肉、魚などの生鮮品をはじめ、牛乳やパンなどの食料品、調味料や菓子を含めた加工食品、雑貨などの日用品で、利用者の要望に応じ、需要をみながら対応します。酒類やタバコなどは扱っていません。
12月3日、井手よしひろ県議は市営神峰アパートの8号棟前で、日和サービスの移動スーパーの状況を調査しました。神峰アパートは急な斜面に建てられ、住んでいる方の高齢化も進んでいます。坂を登り降りして買い物に行くのも大変だということで、移動販売車が到着すると瞬く間に10人近くの買い物客の列が出来ました。「買いたい物はだいたい揃っている。神峰アパートに引っ越してきてから7カ月余り。脳梗塞で月に一度病院に通っているが、その帰りに買い物に行っていた。(週に2回、移動販売車が)来るのが判れば、とても便利になる」と語っていました。
日立市はカスミ、日和サービスと協力して、市報などで移動スーパーの立ち寄り場所などの告知を行うと共に、場所の提供などを行います。運営それ自体に対する金銭的な事業費補助などは行いません。