
6月28日、日立市で開催される「エコフェスひたち2025」において、私たち「大煙突とさくら100年プロジェクト」は、展示ブースを出展いたします。今回の展示のテーマは、「日立市の大煙突とさくら SDGsに繋がる歴史的教訓と未来への継承」です。
このテーマには、100年前の公害問題を乗り越えた日立の経験と、そこから学び取れる持続可能な社会への知恵を、今の時代にどう活かすかという問いかけが込められています。
大正時代、急成長を遂げた日立鉱山は、その反面で深刻な煙害に直面しました。山林が枯れ、農作物が育たない。人々の暮らしに影を落としたこの課題に真正面から向き合い、解決に挑んだのが、鉱山創業者の久原房之助でした。彼は排煙を高く遠くへ拡散させるために、当時としては世界一の高さを誇る「大煙突」を築きました。
しかし、それだけでは終わりませんでした。煙害によって荒廃した山々に、地元の人々とともに木々を植える再生の取り組みが始まります。特に、煙に強いとされる「オオシマザクラ」が植えられ、緑を取り戻した山には、春になると白く美しい花が咲き誇るようになりました。その姿は、自然と産業が共存できることを教えてくれる象徴となりました。
この100年にわたる歩みは、単なる公害対策ではなく、「対話と共生によって地域を再生する」という哲学そのものです。そして今、それは国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の理念と深く響き合っています。環境を守りながら経済を育て、地域とともに未来を築くという視点は、まさに現代のまちづくりに必要なものです。
今回の展示では、日立のこの歩みを、写真や年表、解説パネルなどを通じてご紹介します。大煙突のスケール感、桜の美しさ、そしてそこに込められた人々の思いを、ぜひ会場で感じ取っていただければ幸いです。
100年の歴史が語りかける“持続可能な未来”へのヒントを、ぜひ「エコフェスひたち2025」の会場で見つけてください。多くの皆さまのご来場を、心よりお待ちしております。