11月1日、日立市議会公明党(代表・舘野清道市議、薄井五月市議、添田絹代市議、三代勝也市議、下山田幹子市議)は、小川春樹市長に対して「平成29年度の予算編成にあたって」の要望書を提出しました。
現在、日立市では新庁舎の建設工事が、来年(平成29年)7月の供用開始に向け順調に進んでいます。また、中央体育館(さくらアリーナ)も来春3月の完成を目指して、工事が急がれています。今後は、この新庁舎を市民生活の安全・安心を守るための拠点・賑わいのあるまちづくりのための拠点として、新たな視点に立った行政の取り組みが求められています。
平成29年度は、「日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略」が3年目を迎えます。日立市においては今だに人口減少に歯止めがかからないのが現状であり、更なる活力にあふれた日立市の創生を目指すことが急務となっています。
そこで日立市議会公明党は、次の6項目を重点項目として掲げ、具体的に50項目を小川市長に提案しました。
(1)「健やかで安心して暮らせるまち」づくりのために、医師の確保や介護や子育て支援、(2)「人と文化をつくるまち」づくりのために、池の川さくらアリーナの有効活用、(3)「活力ある産業のまち」づくりのために、LNG火力発電所の誘致、観光資源を生かすための外部専門家の招聘、(4)「都市機能が充実したまち」づくりのために、国道6号大和田拡幅や安全で安心な水道水の提供、(5)「安全で環境にやさしいまち」づくりのために、防犯灯の維持管理や空き家対策推進、(6)「みんなで築くまち」づくりのために、ライフスタイルに応じた住まいの確保やニセ電話詐欺の未然防止。
要望書を受け取った小川市長は、「公明党のご提案を真摯に検討し、元気な日立の実現のためにできるものから政策として具体化していきたい」と答えました。
1.「健やかで安心して暮らせるまち」づくりのために
- 医師の確保については、つくば大学医学部との連携が図られるよう努力され、周産期母子医療センターの早期再開に向けて取り組まれたい。
- 早期発見・早期治療を目的とした特定健診のオプション検査で、胃がんや十二指腸潰瘍等の原因となるピロリ菌の検査の導入に向けて引き続き検討されたい。
- 乳がん検診の受診開始年齢を30歳に早め、若い女性が早期発見・早期治療出来る体制を整えられたい。また、子どものいる女性が受診しやすいように、託児システムの整備を図られたい。
- 高齢者肺炎球菌予防接種については、様々な機会をとらえ肺炎のリスクについて周知を強化し接種率向上を目指されたい。更に行政の取り組みを紹介する「市長の手紙」等で、未接種者への個別通知の内容を拡充されたい。
- 地域包括ケアシステム構築として、在宅医療・介護推進会議において専門職のネットワーク構築が図られている。更に住民による支援策として、地域での見守り体制の整備や市民後見人推進事業等を含めたシステムづくりを推進されたい。
- 特別養護老人ホーム日立市萬春園については、開設から40年以上が経過し老朽化が著しいため、早期に耐震診断を実施し利用者の安全面の確保等を図られたい。
- 日立市子どもセンターは、総合相談(子育て、発育、発達、療育)や子どもの発達に関する支援を行っている。専門機関やサービス機関との連携を図り、「子育て世代地域包括支援センター」としての機能の充実に取り組むとともに、手狭になっている施設の整備・拡充に取り組まれたい。
- 児童クラブについては、開設時間延長の前倒しを推進されたい。更に障がいのある児童の受け入れに応えるために、地域内の教職員や保育士のOBに広く呼びかけ、指導員の確保を推進されたい。また、支援員の有資格者を確保出来るように、研修会参加への推進を図られたい。
- 働く子育て中の親への支援策として、子どもの急病に対応出来る病児保育の在り方について検討されたい。
- 自冶体と子育て世代をつなぎ、災害時や緊急時等いざという時の備えとして、子どもの成長記録や健康データを家族のスマートフォン等でも閲覧することの出来る「電子母子手帳」の導入を検討されたい。
- 市営住宅の新たな建設については、子育て世代のニーズを踏まえ定住促進に繋がる魅力的な住環境整備を図られたい。
- 鳩が丘障害者福祉施設再整備事業については、利用者の高齢化への対応や重度の障がいを持った方々への柔軟な支援の出来る複合的な施設として、平成30年供用開始に向け整備を進められたい。また、バスや自家用車での利用者の送迎もあることから、工事中の施設利用者の安全確保についても配慮されたい。
2.「人と文化をつくるまち」づくりについて
- 池の川さくらアリーナの供用開始に伴い、茨城国体・東京オリンピック・パラリンピックに向けた合宿の誘致を進められたい。さらにスポーツツーリズムを促進し交流人口の拡大を推進されたい。
- 日立市特別支援学校については、県への移管を強く要望されたい。また、常陸太田市や北茨城市等の特別支援学校に市内の児童・生徒が、数多く通学している現状もあることから、今後の方向性についても検討されたい。
- 老朽化による悪臭等が問題となっている小・中学校のトイレ整備を計画的に進められたい。また、避難所となる学校体育館のトイレについての整備計画を検討されたい。
- 児童生徒のスマートフォンによるSNS利用による被害等が増加しているため、引き続き児童生徒への指導を徹底されたい。また、家庭に対しては、保護者の出席が多い新入生保護者説明会を活用して、SNS使用のルール作りや有害サイトから守るための講習会等を推進されたい。
- 認知症に対する誤解や偏見を防止し、患者やその家族が孤独を感じることのない地域環境をつくるためにも、小・中学校において認知症に関する学習に取り組まれたい。
- 図書館において雑誌スポンサー制度を導入し、蔵書の充実を図られたい。
- 公共施設マネジメント計画にある「日立市十王総合健康福祉センター」の今後のあり方については、多くの市民が利用しやすい施設になるよう、指定管理者制度の導入を含めた体制整備を検討されたい。
3.「活力ある産業のまち」づくりについて
- LNG基地が出来たことを日立市としての新たな産業を創出する重要な契機と捉え、LNGを使用する火力発電所の誘致を積極的に進められたい。ついては、誘致のための土地確保を早急に推進されたい。
- 常陸多賀商店街の活性化については、街中マイクロクリエイションオフィス入居者の誘致を着実に推進され、入居者に対する継続的な支援を図られたい。併せて常陸多賀商店街の空き店舗については、アーティストの作品等の出店を促す等更なる商店街の活性化に取り組まれたい。
- 日立市観光物産協会が一般社団法人格を取得した。外部専門家を招聘して組織体制の強化を図り、日立市ならではの観光地域づくりを進められたい。
- ブランドの発掘については、農林水産業者や商工業者、観光関連業者等による(仮称)「ブランド推進協議会」を立ち上げる等して、日立市としての一体性・一貫性を持たせた戦略に取り組まれ、ひたちらしさのある地域ブランドの発掘を図られたい。
- 本市の魅力を配信する動画の制作にあたっては、クリエイティブディレクター等の専門家に動画の作成を依頼し内容の充実を図られたい。また、タイムリーな話題を速やかに提供出来るような配信の仕組みを構築されたい。
- 奥日立きららの里は、自然を生かしたレジャー施設として利用人口が増加傾向にある。今後の更なる魅力づくりとして、入場料無料化を進め、夏季期間の利用時間延長など施設内でのサービス向上を図られたい。
- 市内北部地域の観光拠点として、「鵜来来の湯十王」や「十王物産センター鵜喜鵜喜」のある伊師浜国民休養地の活用を検討されたい。
- 若者が主催するサンドアートフェスティバルは、市内外からの観光客が増加し賑わいが出てきている。駐車場の確保を含めた運営や広報等についても支援され、日立のブランド化に向けた取り組みとして進められたい。
- 高齢者が社会・経済の重要な担い手として活躍できる環境を整えるため、シルバー人材センターの事業として、多様な就業ニーズに対応出来る事業等を取入れ、新たな雇用機会の創出を図られたい。
4.「都市機能が充実したまち」づくりについて
- 国道6号日立バイパスの延伸、大和田拡幅並びに国道245号線の4車線化について、引き続き国・県へ強く要望されたい。特に通勤時間帯の渋滞が激しい大和田拡幅の事業推進に努められたい。
- 災害時の対策として避難経路になりうる道路の事業を進めてきた。今後、まだ出入口の少ない山側の青葉台団地から山の神団地を結ぶ道路を計画・推進されたい。
- 公共交通体系の維持については、企業と協議会を立ち上げ通勤時の利用促進を図られたい。
- 市内の河川において茂宮川・大沼川・十王川は、これまでも対策を進めてきたが県の対応を待つ状況である。災害対策の整備を強く県に要望をされ、スピード感をもって河川整備の推進をされたい。
- 現在進められている東町の急傾斜地崩壊対策事業については、県に強く働きかけ早期の完成に向け事業を推進されたい。
- 防災性の向上や安全な通行空間を確保するため、無電柱化の計画を見直され取り組みを進められたい。
- 草刈り等の処理件数が年々増す一方、里親制度の拡充・支援も追いつかない状況である。緑地の更なる維持管理に対しての財源を確保されたい。
- 水道事業においては、水道管の老朽化が大きな課題になってきている。安全で安心なサービス提供を持続するため、引き続き中長期的な
- 視点に立ちながら特定財源の確保を積極的に図る等事業を推進されたい。
5.「安全で環境にやさしいまち」づくりについて
- 防犯灯については、地域で使用されている防犯灯の現状を早急に把握されたい。また、原子力立地給付金の活用など財源の確保に取り組まれ、行政において防犯灯の維持管理が出来るよう検討されたい。
- 増加する空家については、「日立市空家等対策協議会条例」の設置を受け、早急に空家等対策計画の作成を進められたい。また、特定空家の判定をスピーディーに行い、所有者との調整を図られたい。
- 市民の安全を確保するために、道路等の危険個所を通報できるアプリケーションの早期運用を図られたい。また、中長期的に道路維持の管理についてシステム構築を検討されたい。
- 防災行政無線のデジタル化の整備を推進されたい。その中で、放送内容を確認するテレフォンサービス等についても実施されたい。
- JR小木津駅前への交番移設を、早期実現に向けて引き続き県に要請されたい。
- 太陽光発電システムについては、ガイドラインの制定を受け、今後は地域住民への情報開示を進めるために、県・国との連携を進め、安全で安心な管理の取り組みを促すよう努められたい。
- 近年多様化している墓地の在り方については、合葬式墓地の需要が増えてくるものと思われる。市民のニーズに合わせた合葬式墓地の設置を早急に検討されたい。また、火葬場は、市内の地域的バランスを考慮され、南部地域への設置について検討されたい。
6.「みんなで築くまち」づくりについて
- 定住促進策として、若者や子育て世代がライフスタイルに応じた住まいを市内に確保し定住出来るよう、住宅地として活用できる土地の調査をされたい。ついては住政策推進室の拡充を検討されたい。
- 日立市においては「茨城キリスト教大学」「茨城大学」「常磐大学」との連携に関する協定を結んできた。更なる連携に取り組み産学官の協働を推進し、地元への就職の促進を図られたい。
- 男女共同参画社会の実現に向けた今後の具体的な取組みとして、フォーラムにおいて、市内企業の男女従業員や教職員・市役所職員等が、育児休業や介護休業を取得する等して職場や家族の協力を受け働き続けることが出来た等の体験談を語れる場の提供を検討されたい。
- 新庁舎の完成に合わせて、NPO・ボランティア団体の活動環境の整備として、情報交換や相談体制が出来るフリースペースや会議室等の設置を検討されたい。
- 「ニセ電話詐欺」等の被害を未然に防ぐために、留守番電話の機能利用の啓発を進められたい。また、高齢者が通院している病院の医師等から診察時に詐欺未然防止のためのPRチラシ等を手渡していただけるよう医師会等に要望されたい。
- 多賀市民会館の小ホールの照明を、現在の水銀灯から会議等の利用にも適したLED照明に切り替えられたい。また、駐車場の出入り口の拡充と出庫時にカードリーダーを通さなくても時間を読み取れる方式に変更されたい。
- 郵便等による不在者投票については、一度申請をした人には投票所入場券送付と合わせて不在者投票の申込用紙の送付を検討されたい。また、大学構内での期日前投票所については、駐車場等の使い勝手の向上を検討されたい。