日本の政治はいま、大きな岐路に立っています。分断と対立が世界的に深まるなかで、私たちの社会でも、排外主義的な言説や極端な主張が目立つようになり、「良識ある政治」「安定した政治」を求める声は、かつてないほど高まっています。そうした時代認識のもとで誕生したのが、新党「中道改革連合」(略称・中道)です。
中道改革連合は、「国家のため」でも「イデオロギーのため」でもなく、「人間のための政治」を貫く中道政治を確立することを旗印に結成されました。人間の生命、生活、生存を最大限に尊重し、生活者一人ひとりの実感に根ざした政治を取り戻す。その強い問題意識が、この新党の出発点にあります。
この結党にあたり、公明党は大きな決断を行いました。昨年10月に自公連立に区切りを付けた後、「中道改革の軸になる」という方針を掲げ、政治勢力の再編と結集に取り組んできました。その結果として、党所属の衆議院議員全員が公明党を離党し、新たに結成された中道改革連合に参加することを決定しました。一方で、公明党そのものは、参議院議員と地方議員を中心とした政党として存続し、地域社会と生活者により深く根差した政治基盤を担いながら、新党と緊密に連携し、衆議院選挙では全面的に支援するという役割分担を明確にしました。
この背景には、世界的な右傾化とポピュリズムの台頭に対する強い危機感があります。国家やイデオロギーを過度に前面に押し出し、多様な人々を尊重し、調和させていくという政治の本来の役割が軽視されつつある現状に対し、日本においてこそ「中道改革勢力」を明確に打ち立てる必要がある――その認識が共有されてきました。
そこで公明党は、立憲民主党や国民民主党、さらには自由民主党の穏健派とされる議員にも広く呼びかけ、党派を超えた結集を模索してきました。その軸となったのが、「人間中心」の政治を具体化する五つの政策の柱です。これらは、社会保障、包摂社会、経済、外交・安全保障、政治改革という、日本社会の根幹に関わる課題を真正面から捉えたものです。
第一に掲げられているのが、現役世代も安心できる新たな社会保障モデルの構築です。医療、介護、教育といった不可欠な公的サービスに、誰もが等しくアクセスできる「ベーシックサービス」の考え方を基礎に、弱者を生まない社会をめざします。
第二は、選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現です。教育の無償化拡大や質の向上、選択的夫婦別姓制度の導入、女性リーダー比率の向上、多文化共生の推進など、多様性を力に変える社会を目標としています。
第三は、生活の豊かさに直結する一人当たりGDPの倍増です。経済成長を目的化するのではなく、人間の幸福を目的とする経済政策へと舵を切る、その象徴的な目標です。
第四は、現実的な外交・防衛政策と憲法改正です。安全保障環境の厳しさを直視しつつ、対話と多国間協調による平和外交を重視し、紛争を未然に防ぐ国際的枠組みづくりを進めます。
第五は、政治改革と選挙制度改革です。政治資金の透明化や企業・団体献金規制の強化、「民意の反映」を重視した選挙制度の実現を通じて、政治への信頼を回復していきます。
今回の結党は、衆議院解散という緊迫した政治日程のなかで、立憲民主党の野田代表から「中道勢力をつくろう」との呼びかけがあり、協議を重ねた末に合意に至ったものです。一部には「選挙のための野合ではないか」との声もありますが、これは事実とは異なります。中道改革連合は、理念と政策を共有する議員が集まったものであり、外交・安全保障、エネルギー政策を含め、基本的な方向性を一致させた上での結集です。
私たちが考える「中道」とは、生活者ファーストの政治であり、日本の平和を守る政治です。格差を是正し、誰もが安心して暮らせる社会を築くこと。そして、分断と対立が続く国際社会の中で、国際協調主義に立ち、日本の安定と平和を守り抜くこと。その両立こそが、中道政治の使命だと考えます。
中道改革連合は、日本の政治を正しい方向へ導く「羅針盤」となることをめざします。左右への偏りを正し、不毛な対立を避け、対話と合意形成を重ねながら、時代の変化に応じた建設的な解決策を提示していく。その積み重ねによって、日本に新しい政治の流れをつくっていく決意です。
この理念と方向性をより具体的に示すものとして、以下に「綱領」と「政策大綱」の全文を掲載します。ぜひお読みいただき、「人間のための中道政治」が目指す社会像を感じ取っていただければと思います。

中道改革連合 【 綱 領 】
近年、世界はインフレの進行と国際秩序の動揺の中で、極端な思想や社会の不安を利用して、分断を煽る政治的手法が台頭し、社会の連帯が揺らいでいる。日本においても、右派・左派を問わず急進的な言説が目立ち始め、多様性を尊重し、共に生きる社会を築こうとする努力が、いま脅かされている。この現実を前に、政治が果たすべき責任は重い。
対立を煽り、分断を深める政治ではなく、対立点を見極め、合意形成を積み重ね、生活者ファーストの政策を着実に前へと進める中道政治の力が求められている。それは困難な現実に正面から向き合い、最適解を導き出す、最も責任ある政治の道である。
私たちの掲げる理念は、「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」である。国民一人ひとりが自分らしく生き、その活力が社会の発展を支える政治を目指す。国家やイデオロギーのために国民を従わせる政治ではなく、人間の尊厳を守り抜く政治を、我が国の中心に据え直すという、揺るぎない決意である。
「中道改革連合」は、多党化が進み、政治が揺れ動く時代にあって、極端主義に立ち向かい、不毛な対立によって社会が引き裂かれることを防ぐ責任ある中道改革勢力として立ち上がる。国民の利益と幸福に奉仕する国民政党として、国民が求める改革を主導する基軸となることを目指す。そのために、私たちはここに、5つの政策の柱を掲げる。
第1の柱:一人ひとりの幸福を実現する、持続的な経済成長への政策転換
人への投資や生産性革命等を通じて、持続的賃上げを実現し、経済成長を分配へとつなげ、生活者の豊かな暮らしを実現する。
第2の柱:現役世代も安心できる新たな社会保障モデルの構築
持続可能な経済成長を実現し、弱者を生まない社会を築くために、誰もが必要な支援にアクセスできるよう、教育・医療・介護などのベーシックサービスを充実させ、現役世代の負担に配慮した、持続可能な社会保障を実現する。
第3の柱:選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現
教育格差の是正、ジェンダー平等、多文化共生、気候変動対策を進め、誰もが自分らしく生きられる社会をつくる。
第4の柱:現実的な外交・防衛政策と憲法改正論議の深化
憲法の平和主義に基づく専守防衛を基本に、日米同盟と平和外交を軸とした、国民の平和と安全を守る現実的な外交・防衛政策を進める。
第5の柱:不断の政治改革と選挙制度改革
政治への信頼を回復するため、政治資金の透明化を断行し、民意が正しく反映される選挙制度改革など、政治改革に取り組む。
「中道改革連合」は、改革の軸として、理念を掲げながら現実的な政策実現のために結集する。その責任を果たす覚悟を持って、私たちは新たな歩みを始める。

中道改革連合 【基本政策】
生活者ファーストの政治の実現へ
〜より良い未来に向けた社会のかたちの再設計〜
世界的なインフレの進行、格差の拡大、気候変動、国際秩序の不安定化などにより、世界は今、かつてないほど不確実性の高い時代に直面している。若年層をはじめとする生活者が抱える不安は、既存の政治への失望へと転じ、その隙間を突くように、分断をあおる極端な政治が台頭する風潮が生じている。
この不確実性の時代において、良識ある政治と社会の安定を取り戻すために必要なのは、イデオロギーや対立を優先する政治ではなく、生活者一人ひとりの現実から出発する政治である。中道改革連合は、「生活者ファースト」を政治の原点に据え、平和を守る人間中心の社会の実現をめざす。
私たちは、立憲主義を政治の土台とし、権力の乱用を防ぎ、個人の尊厳と自由を守る。同時に、多様な価値観や生き方を尊重し、共生と支え合いによって地域・社会の安定と活力を高めていく。対話と包摂を重んじる中道の立場こそが、今の時代に求められる政治の姿である。
この考えのもとに結集した「中道改革連合」は、5つの柱からなる基本政策を掲げ、不安よりも希望が感じられる社会の構築をめざす。生活者一人ひとりのくらしを豊かにする持続的な経済成長、現実的な外交・安全保障政策、責任あるエネルギー安全保障政策、時代に対応した憲法改正論議の深化など、国が存立する基盤を生活者の視点で強化していく。
とりわけ、かつて終身雇用や安定した資産形成が可能であった時代とは異なり、非正規雇用の拡大、実質賃金の低下、住宅価格の高騰、国民負担率の上昇などにより、現在の若年層・現役世代は、努力しても報われにくい現実に直面している。私たちはこの現実を放置することなく、あらゆる英知を結集し、社会の仕組みそのものを現代にふさわしい形へと再設計していく。
増税に頼るのではなく、経済成長と公正な分配によって持続可能な財源を確保できる国へと進化させ、市場との対話を通じた財政への信頼とインフレ時代に対応した税制を両立させる「生活者ファーストの賢い財政」を実現する。また、「現役世代に負担を求める社会保障」から、応能負担を通じた「現役世代も同時に支える社会保障」へと転換を図る。加えて、教育・雇用・分配の仕組みを生活者の視点で見直し、誰もが置き去りにされることなく、いつでも前を向いて歩み続けることができる社会を構築する。
以上の考えに立ち、中道改革連合は、生活者一人ひとりの不安を安心へ、停滞を前進へと変えるため、次に掲げる5つの政策の柱をもって、「生活者ファースト」の中道改革を着実に実行する。
▼第1の柱
「ー人ひとりの幸福を実現する、持続可能な経済成長への政策転換」
- 生活者ファーストへの政策転換と、手取り対策にとどまらない額面が増える経済構造の構築
- 行き過ぎた円安の是正と、食料品・エネルギーなど生活必需品の物価引き下げ
- 防災・減災および国土強靱(きょうじん)化の強化に向けた、インフラ更新・流域治水・耐震化等への重点投資の推進
- 再生可能エネルギーの最大限活用/将来的に原発に依存しない社会を目指しつつ、安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働/次世代技術の開発促進などによるエネルギー安全保障の確保と脱炭素社会を実現
▼第2の柱
「現役世代も安心できる新たな社会保障モデルの構築」
- 政府系ファンド(ジャパン・ファンド)の創設や基金の活用などによる財源確保と、食料品消費税ゼロおよび社会保険料等負担の低減
- 医療・介護・障がい福祉・教育など、生きていく上で不可欠な公的サービスへのアクセスを保障するベーシック・サービスの拡充
- 予防医療の充実による健康寿命の延伸と、国民のウェルビーイングの向上
- 中低所得者の負担軽減と格差是正に向けた「給付付き税額控除制度」の早期導入、社会保障と税の一体改革への取り組み
▼第3の柱
「選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現」
- 教育の無償化拡大と質の向上、ならびに社会人・高齢者を含む学びなおし・リスキリングの制度的保障など「人への投資」の拡充
- 選択的夫婦別姓などジェンダー平等およびルールに基づく多文化共生などの推進による、マイノリティーも含め誰もが尊厳を持って生きられる社会の構築
- 持続可能な地球環境を未来に引き継ぐための、気候変動対策および生物多様性を守る環境政策の推進
- 食の安全の観点も踏まえた農林水産業支援、地域資源の活用・育成、地域医療への支援などによる地域の活力と魅力の向上
▼第4の柱
「現実的な外交・防衛政策と憲法改正論議の深化」
- 積極的な対話と平和外交の一層の強化
自由、民主主義、人権、法の支配などの普遍的価値や原則に基づく国際秩序の堅持 - 激変する安全保障環境へ適切に対応する防衛力等の整備
憲法の専守防衛の範囲内における日米同盟を基軸とした抑止力・対処力の強化
平和安全法制が定める存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲
非核三原則の堅持 - 中国に対する懸念への毅然とした対応と、国益確保を両立させる中長期的視点に立った戦略的互恵関係の構築
- 立憲主義、憲法の基本原理を堅持した上で、国民の権利保障、自衛隊の憲法上の位置付けなどの国会での議論を踏まえ、責任ある憲法改正論議を深化
▼第5の柱
「不断の政治改革と選挙制度改革」
- 政治資金の透明性・公正性を確保する法整備による、政治と力ネをめぐる問題への終止符
- 企業・団体献金の受け手制限規制の強化
不正防止を担う第三者機関の創設 - 民意を的確に反映する選挙制度への改革と、司法の要請および有識者の知見を踏まえた公正な制度への移行
