取締役で対応策を発表・水田社長は引責辞任
つくばエクスプレス(常磐新線)を建設中の第三セクター「首都圏新都市鉄道」(本社・東京都台東区)の水田嘉憲社長は2001年11月29日、取締役会で辞任する意向を明らかにしました。首都圏新都市鉄道は、11月22日に会社更生法を提出した大手スーパー「マイカル」関連の社債110億円を保有しています。
水田社長は「マイカル関連債券の回収が困難な事態に至ったことは誠に遺憾で、その責任を痛感している」と責任を認めました。さらに、「建設事業の正念場」として、今年度中に鉄道用地の確保にめどをつけたうえで、社長を退く考えを示し、退任までの間の報酬も半分にカットし、退職金も返上することを発表しました。
また、首都圏新都市鉄道は、株主の東京都、茨城、千葉、埼玉県に対して、リスク管理と建設費、運営費圧縮の徹底を柱とする経営改善策を提示。「改善策により、追加出資なしで、予定通り2005年度(平成17年度)に開業できる」と説明しました。
取締役会は、マイカル社債を購入した1997、99年当時の元総務担当専務、同常務に退職金の返還を要請する。常勤監査役の早期退任と退任までの間の報酬2割カット、退職金返上。現専務、常務の報酬を3カ月間、1割カット――も決定しました。
参考:首都圏新都市鉄道株式会社のホームページ
参考:マイカル関連社債の詳細(井手県議のHPより)
首都圏新都市鉄道株式会社
基本方針————————
再発防止に向けて資金運用方針等の抜本的な見直しを行う。
建設費等の一層の縮減に努め17年度開業に支障なきよう万全を期す。また株主各位に本件による新たな資金拠出は求めない。
収支改善に向けてあらゆる経営努力を払う。
債券の回収に最大限努力する。
株主各位の信頼回復に努める。
具体的な施策——————–
1.再発防止に向けて真金運用方針等の抜本的な見直しを行う。
(1)資金運用方針の改訂
①新たな運用を預金、国債、政府保証債、地方債に限定する。
②運用及びリスク管理の状況を毎回取締役に報告する。 (2)保有債券の管理の強化
①格付の定期的な監視期間を短縮する(年2回から毎月)。また格付は国内2社(JCR、R&Ⅰ)の格付を把握する。海外格付機関の格付も注視する。
②年2回の財務状況把堀に加え、決算予想(修正予想)も把握する。
③格付A-以下の債券、保有残高が50億円以上の大口先は重点監視とし、財務分析、業界動向分析等を行う。
④格付がA格を下回った場合、レーティング・モニターに措定された場合等には償還期限前の売却(損切り)を検討する。
⑤BBB格に格下げされ、かつ毎月月末の気配値が額面より5%以上下落した場合、又はBB格(以下)に格下げされた寄合には売却を前提に調整する。
⑥上記(2)③④⑤の格付はJCR、R&Iのいずれか低位を基準とする。 (3)運用体制の充実
①情報収集体制・機能を強化するとともに、外部専門家のノウハウの活用を図る。
2.建設費等の一層の縮減に努め17年度開業に支障なきよう万全を期す。また株主各位に本件による新たな資金拠出は求めない。
(1)事業費の縮減、支出の工夫
①建設費の縮減に最大限の努力を傾注する。
②車両の整備に関し縮減に努めるとともに、リースや割賦方式について関係者と調整を進める。
③上記①②等の措置により株主各位に本件による新たな資金拠出ほ求めない。
3.収支改善に向けてあらゆる経営努力を払う。
(1)運営コストの圧縮
①要員数、人件費等について縮減に努める。
②維持管理費、動力費等経費について縮減に努める。
(2)収入向上策の展開
①イメージ戦略等を展開し、沿線への人口定着、鉄道利用促進を図る。
②付帯事業について多角的な検討を進める。
4.債権の回収に最大限努力する。
(1)債権回収に係る準備
①11月22日にマイカルが会社更正法適用を申し立てたことを受け、債権回収に遺漏なきよう万全を期す. (2)購入時の事実関係の精査
①資産担保証券の購入時の説明に係るかひの有無について検討を進める。 (3)外部専門家(弁護士)の活用
①債権回収業務に精通した複数の弁護士とも相談しながら債権回収に全力を挙げる。
5.株主各位の信頼回復に努める。
(1)株主各位等の信頼回復
①上記諸施策を早急に実行に移すとともに鉄道建設事業の円滑な推進を図り、株主各位等の信頼回復に努める。
このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。 |