茨城空港のターミナルビルに隣接する航空公園に、航空自衛隊の退役したF4ファントムⅡ2機が展示されることになり、6月29日、搬入・据え付け作業が行われました。
茨城県や小美玉市は、昨年夏から航空自衛隊に働き掛け、無償で借り受けることに成功しました。地域活性化のために茨城空港への来客者を増やすのが狙いです。
夏休みに入る7月23日から一般公開され、自由に見学することができます。もちろん写真撮影も出来ます。
(写真は、6月29日に据え付けられた展示用の2機のF4ファントムⅡ)
先日のブログでも紹介しましたが、茨城空港ターミナルビルの天井パネルが落ちるシーンは、開港1周年の当日の模様を取材していたNHKのカメラに見事に治められ、地震の瞬間を伝える象徴的な画像として、全世界に配信されました。
茨城空港は、東日本大震災の震度6弱の揺れに襲われ、約8.3メートルの高さから天井パネルの一部が落下。その大きさは3×11メートル。厚み9.5ミリの石こうボードに、15ミリの岩綿吸音板を張り、軽量鉄骨製の下地に取り付けていました。もし、下の人間がいたら大怪我は免れませんでした。
空港ターミナルを管理する茨城県開発公社では、「低価格で良質なサービスの提供を旨とするLCC向け空港のデザインとして、再び天井を張る必要はない」と、大胆に発想を転換。落下しなかった部分も含めたすべてのパネルを、被災後すぐに撤去し、張り替えずにそのまま復旧させました。
屋根裏の梁や空調ダクト、照明はむき出しとなっていますが、黒の基調で統一され、かえって精悍な印象となっています。
「転んでもただでは起きない」、こんな精神が今の茨城空港には脈打っています。
(写真上:震災によって天井パネルが落下した茨城空港ターミナルビル、写真下:天井パネルを撤去して復旧された現在の様子)