子どもの貧困対策を推進する大網策定を、政府に義務付ける「子どもの貧困対策推進法」が今年1月に施行されました。この大綱をもとに、県でも来年度以降、具体的な策施策の展開が期待されています。
その中でも、貧困の世代間連鎖やそれによる生産性の低下を防ぐために、学習の支援は重要なポイントです。貧困に苦しむ子ども達は、学校の勉強についていけなくても、塾などで学ぶことができません。生まれ育った環境にかかわらず、子どもたちの学習する権利は保障されなくてはなりません。
しかし、学校などの公的機関が保護者の所得や境遇などで、子どもたちの対応に差を付けることは認められませんし、子どもたちの人権を守るためにも、どのような経済環境におかれているかという個人情報は厳しく守られなくてはなりません。
そこで、信頼できる N P O やボランティアなど存在が非常に重要になります。行政との綿密な連係を保ちながら、子どもたちの学習支援プログラムを地域に立ち上げる必要があります。
茨城県は、年収200万円以下のワーキング・プアの比率が34%と決して低くはありません。なかでも、一人親家庭の割合は全国平均よりも高く、子どもの貧困率も全国平均よりも高い可能性もあります。
龍ヶ崎市で「NGO未来の子どもネットワーク」が活動開始
この5月より龍ケ崎市では、「NGO未来の子どもネットワーク」(笠井広子代表)が、学習塾に通うことのできない子どもを支援する「無料塾」を開設しました。
当面は市内の小学校5年~中学校3年生を対象とし、高校卒業までをサポートするとしています。無料塾は毎週火曜、木曜日の午後5~9時の間、開設されています。個人情報の保護のため、場所は不公開です。
教員免許を持ったボランティアが講師を務め、講師には家庭教師等の経験がある大学生も募集しています。費用は教材も含めて無料です。
入塾には、保護者同席の面談を行うことにしています。
日立市で「ひたちNPOセンター・With you」が学習支援のプラットフォーム構築
先日、井手よしひろ県議とともに県保健福祉部長と意見を交換した「ひたちNPOセンター・With you」(安田尚道代表)では、行政との連係の上で地域での学習支援プログラムを実施したい考えです。
With youでは、小学生、中学生を支援の対象として、立ち上げは小学校4年~6年生、中学生の高校受験支援を行うことにしています。支援したい教員OBや教員免許を保持したボランティア、教育学部の大学生などをサポーターとしてプールし、社会福祉協議会などとの連係で広報を行います。教室を学校外に確保します。サポーターに対して、学習支援のミッションや教室運営のノウハウを教授して、地域に学習支援の拠点を設置していく計画です。With youは、その全体的なプラッフォームの構築を行うとしています。
中期的には、社会福祉士や臨床心理士などともに、親の就業、生活環境の改善相談を行う予定です。
井手県議ら茨城県議会公明党としては、来年度当初予算に子どもの貧困対策の一環として学習支援を行う団体への支援、補助金制度の創設をすべき
だと主張してまいります。