地方暮らしやUIJターンをサポートするNPO法人「ふるさと回帰支援センター」の統計によると、支援センターの移住希望セミナー参加者や問い合わせは昨年、2万6000件を超え、5年前の3.7倍まで増えています。「移住希望地ランキング」で茨城県は、2009年に全国4位、10年に6位、11年に4位まで上昇していました。しかし、東日本大震災を契機に順位を下げ、13年に16位、14年に17位に入りましたが、それ以降は20位にも届かない「圏外」になっています。
これは、東日本大震災や福島原発事故の影響ではなく、他の人気上位県に比べて、以上を受け入れる体制の整備が遅れたためと考えられます。
遅れを取り戻そうと、茨城県ではホームページでの情報発信を充実させました。昨年3月に「茨城移住なび」を開設し、茨城県の住み良さや移住者の経験談を紹介しています。県内14市町村が運営する「空き家バンク」の情報を一括して検索できるシステムも、昨年11月からスタートさせました。空き家の価格や賃借料をはじめ、築年数、立地、間取り、駅の近さ、補修の必要性などが閲覧できます。しかし、今日現在、登録数はわずか48件にとどまり、一層の取り組みの強化が望まれます。
県内の空き家は2013年現在、総住宅数約126万戸のうち約18万戸(14.6%)もあり、県はこうした物件の活用にもつながるとして、空き家バンクの活用による移住増加に期待を寄せるています。
県県北振興課によると、空き家を活用し、1週間から3カ月程度の短期滞在で移住体験できる「お試し居住」は、日立や北茨城、大子など県北6市町が実施しています。1日千円程度の利用料で住むことができ、昨年度は東京や千葉、福島などから23組38人の利用実績がありました。ここ2年間で20~40歳代の世帯4組6人が実際に移住を決めました。県北以外では、笠間市、筑西市、稲敷市でもお試し居住事業を始めています。
昨年4月からは、「ふるさと県民証」事業を、県外在住者向けに始まめました。レンタカーや宿泊施設の割引など協賛企業のサービスを受けられるほか、県が発行する季節ごとの情報誌やメールマガジンを受け取ることができます。現在、約3500人が登録しています。
参考:茨城移住なびhttp://iju-ibaraki.jp/
参考:茨城のグリーンツーリズムhttp://www.green-tourism.pref.ibaraki.jp/