9月16日付けの日本共産党の機関誌「しんぶん赤旗」の一面に、『八代氏デマ発言「見過ごせない」、野党国対委員長が会談、共産党の立場支える』との記事が踊りました。
共産党の穀田恵二国対委員長が、15日の野党国対委員長会談で、TBS系番組「ひるおび!」(10日放送)で八代英輝弁護士が「共産党は暴力的な革命を党の要綱として廃止していない」などと発言したことについて、「八代氏は自らのデマ発言について、綱領に書いていないことだったと認めて謝ることもしない。こういう形で公党を侮辱することは、民主主義の破壊であり、許すことはできない」と表明しました。これを受けて、立民の安住淳国対委員長は「このことは共通の認識だ。われわれも黙って見過ごすことはない」として、共産党の立場を全面的に支える考えを示した、と述べています。
このことは共通の認識だ。われわれも黙って見過ごすことはない」として、共産党の立場を全面的に支える考えを示しました。
また安住氏は、自民党総裁選報道の在り方や、今回のような事実を歪曲(わいきょく)した選挙妨害の発言について「場合によってはBPO(放送倫理・番組向上機構)への対応も考えなければならない」との考えも示し、「総選挙を目前にして国民を意図的にテレビが先導しかねない」と述べました。
自民党の総裁選挙で、その存在がかすむ野党の焦りを感じる出来事です。
そもそも、共産党が1950年代に全国で凄惨なテロ行動や「警官殺し」などの暴力による破壊活動を行ったことは厳然たる歴史的事実です。「白鳥警部射殺事件」、「大須騒擾事件」の判決では、共産党の関与を裁判所が認めています。
こうした事実があるからこそ、共産党は①暴力革命唯一論に立つ方針を明示した「1951年綱領」などに基づいて武装闘争の戦術を採用し、各地で殺人事件や騒乱事件などを起こした、②その後も暴力革命の可能性を否定することなく現在に至っている、との政府見解が、長年貫かれているのです。
※枝野代表は旧民主党政権では官房長官、安住委員長は財務大臣という要職を占めていました。民主党政権下でもこの政府見解は変更されておらず、彼らも認めていた事実をどう説明するのでしょうか?
これに対し、共産党は、暴力主義的破壊活動を展開した基となった「51年綱領」について、最近では「党の正規の機関が定めた文書ではなく……分派が勝手に作った文書」(2019年3月2日付「赤旗」)と説明しています。「『暴力主義的破壊活動』の方針なるものを、党の正規の方針として持ったり、実行したりしたことは、ただの一度もない」(2021年8月の講演で志位委員長)などと強弁し、躍起になって否定しています。
しかし、「51年綱領」が正規の方針だったことは共産党自身が認めていました。
そのことを示す根拠は随所にありますが、例えば、1958年の第7回党大会で51年綱領を「一つの重要な歴史的な役割を果たした」などと高評価し、62年に出版された党中央委員会発行「日本共産党綱領集」には、「51年綱領」が一時期における党の正規の綱領・方針として登録されています。
ところが、それから30数年もたってから、共産党は、1993年6月25日付「赤旗」2面に突如として、51年綱領を「文書」に格下げする旨の記事を掲載しました。
これをもってか、まるで50年代の一連の共産党が犯した軍事闘争・暴力主義的破壊活動は、もう「党の正規の方針」に基づくものではないとの論拠にし、しかも「分裂した一方の側がやった」との責任回避に終始しています。
だが、それは誰が見ても党史をねじ曲げ、ごまかす茶番としか映りません。国民を欺く不誠実な態度です。結局、そのウソを守るために共産党を挙げて「デマにデマを重ねている」いるのです。