3月29日、日立在住の桜井剛さんの初監督作品「ゴーグル」を、日立シビックセンターで観賞しました。一日4回、二日間で8回の上映の初回でしたが、会場は満席。立ったままの観賞でしたが、時間はあっという間に過ぎました。
「ゴーグル」は、児童虐待という重いテーマを真っ正面に据えた作品。虐待を子どもの視線から描いた作品は目新しく、そのたくましさに爽やかな感動を覚えました。
虐待を受け、顔のアザを隠すために水泳用のゴーグルをかけて小学校に登校する少年。その家庭の主食はコンビニ弁当。日立の象徴的な風景を効果的に使った絵づくり。などなど、印象的なシーンが数々登場します。特に、海に勇気づけられ、少年がゴーグルを外し、怪我をした少女の止血にそれを使うシーンには、心の中で拍手を送りました。桜井監督の非凡さを垣間見ることができます。
ただ、カメラがぶれたり、ピンが甘かったり、音がよく拾えていない場面があったり、場面転換の凡庸な暗転手法など、映画自体の完成度には不満が残ります。次回作は、じっくりとお金と時間を掛けて、桜井監督の世界を表現してくれることを期待します。
いずれにせよ日立が生んだ新たな人材を、これからもしっかりとサポートしていきたいと思います。
(写真:上映会終了後桜井監督と記念写真を撮らせていただきました)
参考:ゴーグルの公式ホームページ
参考:『ゴーグル』からの視線(桜井剛監督のブログ)