
参議院選挙の投票日まで、あと2日。SNSなどを見ていると、いろんな政党が色々なことを言っています。その中でも、最近注目を集めている「参政党」について、「ここ、ちょっと危ないかも…?」って思う点を、12個に絞ってまとめました。
「日本を守る」「子どもを守る」なんて良いスローガンを掲げているけど、その裏側にある考え方を知っておくのは、すごく大切なことです。参政党の政策や考え方には、専門家からも「問題がある」と指摘されている点がたくさんあります。
私たちが暮らす日本の未来に関わることです。しっかりチェックして投票しましょう。
参政党への13の「ここがダメ!」リスト
- 「国民主権」を否定して「天皇中心の国家」を目指している憲法草案
今の日本は、「主権は国民にある」と憲法にハッキリ書かれています。でも参政党の憲法案では、「国が主権を持つ」としていて、天皇が国民と一体になって国を治める「君民一体」という考え方を打ち出しています。これは第2次大戦前の天皇主権の考え方に逆戻りするような、とても危うい発想なのです。 - 個人の権利より「国家や公益」を優先する姿勢
今の憲法は、一人ひとりの自由や権利を守ることを何よりも大切にしています。しかし、参政党の憲法案では、「権利には必ず義務が伴う」として、「公共の利益(公益)」をまず守ることが最優先にされています。つまり、「国や社会のためなら、個人の自由はちょっと後回しにしてもいいよね?」という考え方がベースにあるのです。これだと、国が個人の生活にどこまで口出ししてくるか分からなくなってしまいます。 - 「神社の国有化」など政教分離を曖昧にして国家神道的な価値観を押し付け
日本国憲法は、国が特定の宗教に関わることを禁じています。これは、戦前の国家が特定の宗教(国家神道)と結びついて、国民を戦争に巻き込んでいった反省から生まれた、大事な原則です。しかし、参政党の憲法案では、天皇が「国の伝統の祭祀を主宰し、国民を統合する」とされていて、国が宗教的な行事を主導するような書き方になっています。また、神社の国有化を謳っています。これでは、実質的に特定の宗教と国が一体化する危険性があります。 - 「教育勅語」の復活など、国家が教育内容を統制する姿勢
教育の場でも、参政党は「教育勅語」の復活を主張し、「神話」や「修身」といった特定の道徳的・歴史的世界観を学ぶことを国民の義務にする、と主張しています。戦後、教育勅語や修身教育は民主主義の理念に反するとして廃止された経緯があるのに、国が「こういう国民になりなさい」と教育内容を強く決める「お仕着せ教育」に戻そうとしているのです。 - 政治や歴史に「無知・無関心」な層へ支持を広げている
参政党の支持者には、「これまで一度も投票に行ったことがない」ような、政治や社会の仕組み、歴史について「驚くほど無知で無関心」な人が多いと指摘されています。
日常生活や今後の暮らしに漫然たる不安を持つ人たちが、YouTubeなどで発信される「日本を良くしよう」というスローガンに飛びついた、と分析されています。しかし、そのスローガンが「八紘一宇(はっこう・いちう)」と「戦争なき世界」のように、本来矛盾する言葉を平気で並べているなど、知識があれば違和感を覚えるような内容でも、無自覚に受け入れてしまっています。 - 特定の関連企業への不透明な政治資金の流れ
「クリーンな政治」を掲げている参政党ですが、お金の使い方がとても不透明だという事実があります。例えば、参政党が100%出資してつくった民間会社に多額の「講演料」が支払われていたり、党幹部の家族が経営する会社に資金が流れていたりしています。具体的な仕事の内容や成果が見えないまま、実体の不明な会社に巨額のお金が支払われている事例もあります。「国民に説明責任を果たしていない」と批判されています。 - 戦前の「治安維持法」を肯定し、思想弾圧を正当化する危険な歴史観
神谷代表は、戦前の「治安維持法」について「共産主義者にとっては悪法でしょうが、共産主義を取り締まるためには必要だった」と発言しています。戦前につくられたこの法律は、共産主義者だけでなく、多くの思想家、宗教家、学生、文化人までを弾圧し、拷問によって命を奪うこともあった、「内心の自由」にまで踏み込む極めて危険な法律でした。このような歴史の事実を無視し、過去の過ちを正当化する姿勢は、国家権力が「異なる意見を力で封じる社会」に繋がる危険性があります。 - 「高齢女性は子どもを産めない」などの女性蔑視発言や、性的少数者の権利否定
神谷代表は、少子化対策に関して「高齢の女性は子どもが産めない」と発言し、女性を「産む性」として生物学的な機能だけで価値を測ろうとする差別的な見方が問題視されています。さらに、「LGBTQや夫婦別姓は“イデオロギー”」として反対しており、性的指向や性自認に基づく人権を軽視しています。多様な生き方を尊重する現代社会に逆行する発言に他なりません。 - 「日本人ファースト」という排外主義的な主張で社会の分断を助長
参政党は「日本人ファースト」というスローガンを掲げ、「外国人の犯罪が増えている」など、経済問題や治安悪化を外国人のせいに転嫁するような発言をしています。
これはヘイトスピーチの典型であり、多文化共生社会を脅かし、在日外国人や移民の尊厳を傷つけるものです。 - 核武装や徴兵制を肯定し、被爆地の歴史や憲法の平和主義を軽視
神谷代表は、原爆が投下された広島と長崎で「原子力潜水艦を作って欲しい」と主張。「核兵器を積むかどうかは秘密にする」「対馬を独立させて原潜を持たせ、日本と同盟する」といった、非核三原則や日本国憲法の平和主義に真っ向から反する意見もしています。被爆者の方々の苦しみや願いを踏みにじるものだと厳しく批判されています。
また、参政党の公認候補は「核武装が最も安上がりで安全を強化する策」と発言しました。さらに、教育的な役割があるとして徴兵制の復活も示唆しました。 - 「発達障害など存在しない」と科学的知見を否定し、支援を必要とする人々を傷つける
参政党の政策Q&Aで、「発達障害など存在しません--通常の子供たちと全く同じ教育を行なえば問題ありません」という主張を展開しました。しかし、発達障害は医学的に確立された診断分類であり、世界中で認められている科学的事実です。その存在を否定することは、発達障害と向き合い、日々努力している本人やその家族の苦労を全否定し、必要な支援の道を閉ざしてしまう、差別的な言動だと強く批判されています。 - 「延命治療の全額自己負担化」など、命の選別につながりかねない政策を主張
参政党は公約で「終末期における過度な延命治療を見直す」とし、その医療費を「全額自己負担化」することを掲げています。一見すると医療費削減のように見えますが、実際には「お金がある人だけが延命治療を受けられる」という、命に値段をつけるような「日本人の富裕層ファースト」な政策です。医療現場では「終末期」の明確な線引きも難しく、この政策は「国民の命に序列をつける」ことにつながりかねません。 - 「日本人ファースト」は“選挙の間だけのキャッチコピー”にすぎない/“息を吐くように嘘を言う”無責任な政治姿勢
神谷代表は、これまで「日本人のための政治を取り戻す」「日本人ファースト」というスローガンを掲げ、外国人優遇政策への反対や移民政策批判などを展開してきました。これらは、参政党の政治的立場の柱として、多くの支持者を集める原動力でもありました。
ところが、その「日本人ファースト」が、実は“選挙の間だけのキャッチコピー”にすぎないと自ら明言したのです。この発言は、単に選挙戦術の話ではなく、国民に対する裏切りであり、政治的誠実さを根底から損なうものです。選挙のときには耳障りの良い言葉で票を集め、当選後にはその理念を簡単に投げ捨てるという姿勢があらわになった形です。

今回紹介した「参政党の13のダメ」は、どれも私たちが暮らす社会のあり方、人々の自由や尊厳に関わる、とても大切なことばかりです。
参政党は「日本を守る」と言いながら、その実、戦後築き上げてきた民主主義や人権尊重の原則を大きく揺るがしかねない考え方を持っています。そして、その主張の多くは、陰謀論やデマに基づいているのです。カルト団体との繋がりも指摘されています。
SNSなどで流れてくる情報を鵜呑みにせず、「本当はどういうことなんだろう?」って自分で調べて、考えて、そして自分の意見を持つことが、私たち一人ひとりに求められています。