日立市が市のイメージや知名度高め、映像文化の興隆、人材の育成などに役立てようと映画づくりを支援する「ひたちシネマ制作サポートプロジェクト」に選ばれた2作品の完成記念上映会が、5月17日行われました。会場となった日立シビックセンターの多目的ホールは、立ち見が出るほどの大盛況。両作品が2回上演され、監督や出演者の舞台挨拶も行われました。
この2作品は、「BRTHDAY」(半田哲平監督、上映時間約65分)と「僕たちの反抗旗」(松本卓也監督、約100分)です。
「BRTHDAY」は、市役所に勤める青年が、市が進めるアウトレットモール建設とその敷地となるための動物園の閉園の中で悩む姿を、コミカルに描いた作品です。市役所に勤める影山は、ある日、市が進めるアウトレットモール建設のため閉園する動物園へ出向く事になります。しかし動物園では、飼育員の朋子を中心に、アウトレットの工事開始日に、無許可で開園30周年記念式典を実施しようとしていました。何とか式典をやめさせようとする影山ですが、ひょんな事から着たゴリラのキグルミが大人気になったり、一人寂しく大好きなゴリラ・ダイスケの前にいる影山の上司である志村の娘・八ルコの事や朋子の動物園に対する考えを知るうちに、動物園閉園に疑問を感じ、悩み始めます。
監督を務めた半田哲平氏は、映画専門学校卒業後、映像製作集団「VeltgaFilm613」を結成し、代表を務めています。映画のバンドとして上映をコンスタントに行い、観客動員は数千人を超えるなどインディーズでは異例の存在としてメディアの注目を集めています。
日立市を舞台に撮影された「フミの帽子」や「ゴーグル」に撮影監督として参加。日立を舞台にした映画では3作品目となります。日立を知り尽くした監督が、まちのあり方をも考えさせる好作品となっています。
「僕たちの反抗旗」は、経営難でクリスマス直前に閉園となったレジャーランドに、大人たちへ不満を持つ子どもたちが、園長を誘拐して立てこもります。子どもたちの生き生きとした姿に魅せられた園長と子どもたちのクリスマス2日間に渡る大作戦が始まります。子どもたちのやたら元気な姿(?)が、非常にテンポの良い作品下がっています。
監督は、「ノーマネー、ノー真似」の精神でオリジナリティある作品を創作し続ける松本卓也氏。近年、黒澤明ビデオフェスティバルにて準グランプリ、淡路島映画祭にて審査委員長(井筒監督)特別賞、長編映画の登竜門TAMANEWWAVE入選、東京国際L&G映画祭長編部門日本代表作品選出など、15作品が全国各地27の映画祭で入選、受賞しています。また、フリーディレクターとしても活躍中で、映像集団「シネマ健康会」の代表を務めています。
ひたちシネマサポートプロジェクトは映画づくりを奨励し、映像文化の振興を図るため、映画の制作希望者に資金(奨励金:最高250万円)を援助するもの。ストーリー性やロケ地の大半が日立市内、市のイメージや知名度を国内外にアピールできることなどをポイントに選考され、第1回の2008年度は24件の中から、この2作品が選ばれました。
「ひたちシネマ制作サポートプロジェクト」の2009年度作品の募集も始まっています。詳しくは以下のホームページをご参照下さい。
参考:ひたちシネマ制作サポートプロジェクト