佐渡汽船乗用車搬送料も1,000円
新潟日報(2009年5月11日)
佐渡市は5月11日、経済対策の一環として、佐渡汽船カーフェリーの乗用車搬送料を片道1000円に引き下げると発表した。本土発着便を対象に、30日から7月26日まで実施する。
3月から始まった高速道路料金が1000円になる自動料金収受システム(ETC)割引を受け、搬送料を大幅値引きし、佐渡までの誘客につなげるのが狙い。
対象は新潟―両津、直江津―小木間を利用する車長6メートル未満の乗用車。土日祝日の本土発に限り、往復1万―3万円ほどの搬送料を引き下げる。復路は4日以内なら平日でも1000円に割り引く。
運転手や同乗者の旅客運賃は別途必要で、運転手1人で2等利用の場合、車両代を含め片道3500円程度になる。
同市は割引効果で乗用車搬送が昨年より4650台、人員で1万4000人の増加を見込む。必要な財源は最大で1億5000万円と見積もり、同市が差額分を全額負担する。秋以降の値引きはあらためて検討する。
高野宏一郎市長は「大型連休は利用客が増加したが、今後はETC割引の影響が懸念される。1000円プラスするだけで乗用車ごと乗れるので利用促進を図りたい」と話す。
佐渡汽船の小川健社長は「会社にはほとんど利益は出ないが、割引で長期的な輸送人員減少に歯止めを掛けたい。佐渡観光が上向くことを期待している」と話した。

【実現までの経緯】

今年1月24日、党の全国代表者協議会では、「離島航路に支援を」との要請がありました。公明党新潟県本部では、直ちに県、佐渡市、佐渡汽船に離島(佐渡)航路への支援をすべきであると訴えました。党本部においても、週明けの1月26日、太田昭宏代表が国交大臣に要請要請を行いました。その新聞記事を関係者に送ると航路支援の動きは一気に加速。県議会では、「支援を実施するなら中途半端でなく、インパクトのある料金設定を」と本会議等々で訴えてきました。
しかし、その財源についてはなかなか適当なものがなく、やがて高速道1,000円乗り放題がスタートしました。誰の目も高速道路へ注がれました。そのような中で、佐渡市の高野宏一郎市長は「地域活性のために公明党の主張を基本として佐渡汽船の大幅な値引きをしよう」と決意を表明し、実現にこぎつけたのです。佐渡観光は平成3年の121万人から、その後の地震などの風評被害などのため、平成20年には半分の60万人にまで減っています。このままでは佐渡市そして航路を担う佐渡汽船の存続すら危うくなりかねません。今回の措置はまさに経済対策を活用した佐渡市の大英断とも言えるものです。(顔写真は、志田邦男新潟県議)
【支援の内容】
財源として「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を使用します。佐渡市の単独事業。この交付金は佐渡市に約17億円配分予定。そのうち約1億5000万円を充当します。経済効果として8~10億円が期待されています。
【発表後の反応】
大幅値下げが発表された直後から佐渡汽船には予約が殺到。3週連続満車になっています。観光協会、旅館連盟など島内の関係業界においては宿泊増、リピーター確保のため佐渡米贈呈、魚屋マップなど多様なアイデアが出ております。旅館連盟の若手社長は「航路に橋が架かったようだ」と話していました。
【今後の課題】
離島航路補助金は航路に対する補助ですが、①同一の島から本土側に複数の航路があるケース ②同一路線に複数の事業者が競合しているケースなどにおいては補助対象外です。佐渡のように東京23区の1.5倍の面積のあるような島で航路が1本などというのはありえません。面積用件を加えるなどして離島航路の補助対象を広げるべきであると考えます。
今回の措置は佐渡市だけの事業です。しかし本来離島においても国は航路確保においてもっと国費を投入しても良いのではないでしょうか。新潟・佐渡間は「国道350号線」です。しかし、国道整備に見合うような補助はありません。移動コストに本土も離島も基本的にハンディがないようにあってよいのではないかと思います。
最後に朱鷺の島、黄金の島、広大な平野と雄大な山、島民による能舞など豊な文化を誇る佐渡に是非一度お越しください。
参考:佐渡汽船のホームページ