マスコミ各紙も厳しく指摘
「先送りは責任放棄」(読売)、「政権党の名が泣く」(朝日)、「まさに党利党略だ」(日経)
まず冒頭に、野田総理の内閣改造時の記者会見の言葉を引用します。
野田内閣の前途には、乗り越えていかなければならない政策課題が、なお山積をしています。足元では、何よりも特例公債発行法案の処理であります。このままでは政府の財布が空っぽになり、国家機能が制約され、国民生活に悪影響が出る事態も避けられません。そして、未完の一体改革を最後までやり抜くことであります。先の3党合意に基づき、社会保障の残された課題について、超党派で議論を煮詰めていかなければなりません。国民会議での議論を早急に立ち上げる必要があります。野田改造内閣が成立したのは10月1日。すでに10日間が経過しました。この10日間で、野田総理の会見時の言葉がいかに真実みのない空文だったか、多くの国民は「やっぱり民主党はダメだ」と実感しているのではないでしょうか?
また、1票の格差の是正と国会議員の定数削減を含む選挙制度改革は、早急に片づけるべき前国会からの宿題であります。
さらに野田内閣は、昨年に発足して以来の最重要課題である震災復興、原発事故との戦い、日本経済の再生という、まだ道半ばの課題に全力を尽くしていくことは不変であります。そして、我が国を取り巻く外交安全保障上の課題も多岐にわたり、危機管理面も含め、引き続き、緊張感をもって対応していく必要があります。
問題解決には、何より国会を開会する必要があります。そしてその前提は、民主・自民・公明の3党首会談です。
民主党が3党首会談と秋の臨時国会を先送りする姿勢に対し、新聞各紙は社説で「政権の責任放棄だ」(10/6「読売」)、「首相、逃げてはダメだ」(10/6「朝日」)などと手厳しく批判しています。
各紙の社説では、「近いうち」の衆院解散を自民、公明両党から迫られる党首会談と、衆院解散に追い込まれる場となりそうな臨時国会を先送りする民主党の逃げ腰を「まさに党利党略だ」(10/7「日経」)と批判。さらなる離党者が出ることや、田中慶秋法相の外国人からの違法献金問題を臨時国会で追及されることを恐れる一方、いまだに自民、公明両党に党首会談の打診さえしていない民主党の対応ぶりを「ヤドカリが貝殻に隠れるように、身をすくませているだけでは政権党の名が泣く」(10/6「朝日」)と酷評しています。
また、赤字国債発行を可能にする特例公債法案を臨時国会で早期処理すべき状況下なのに「政策に取り組まず、解散を遅らせることを目標とするような政権は、存在意義が問われる」(10/6「読売」)と厳しく指摘。一刻も早く党首会談を呼び掛け、臨時国会を開いて懸案処理に取り組まなければ「決められない政治に逆戻り」(10/7「日経」)と警鐘を鳴らしています。
「近いうちに国民に信を問う」との3党合意については「国民への約束といえる。年内解散を求める世論も高まりを見せている。約束を果たすべきだ」(10/5「産経」)と野田首相に衆院解散の決断を突き付けています。
公明党の山口那津男代表は、「国民生活や経済に及ぼす影響を考えれば、野田首相が臨時国会を早期に召集し、12月9日までに解散・総選挙をやらざるを得ない」と明確に指摘しています。野田政権は、一刻も早く「国民の信を問う」という決断をすべきです。