2013年度の住宅・土地統計によると、日本の空き家総数は820万戸。空き家率は13.5%と8軒に1軒が空き家となってます。
地方にとってこうした空き家どのように活用するかは大きな課題となっています。
一方、現在、シングルマザー(母子家庭世帯)は全国で124万世帯と増加しつづけています。主な原因として、離婚の増加があります。離婚率が増え、3組に1組が離婚する時代です。離婚後のシングルマザーは、収入源であった夫がいなることと子育てをしながら働くことが困難なため非正規雇用で働かざるを得ない状況でもあります。
シングルマザーの2人に1人が相対的な貧困世帯との統計もあります。
このような背景の中、空き家を活用したシングルマザーの方々のためのシュアハウス(ペアレンティングハウス)という発想が生まれました。
なぜ、シュエハウスなのかというと、一人で借りるよりも割安で、同じ環境にいる者同士助け合い、情報交換が可能なること人気があるようです。さらに、シュアハウスを運営する業者が子育て支援のサービスや保育所などと提携して、入居者のニーズに対応しています。
7月10日、井手よしひろ県議は船井総研様のセミナーに特別に参加させていただき、神奈川県川崎市のシェアハウスを現地調査せていただき、運営会社やチャイルドケアサービスを提供している事業者から直接説明を受けました。
このシングルマザー用のシェアハウスは、私鉄の駅から徒歩3分の場所に立地し、同じ建物内に小児科、眼科、内科の診療所が入居しています。階下には認可保育所も入居しており、条件的は非常に有利です。
床面積214m2のフロアに、30畳のLDK、キッチン、ダイニング、トイレ、お風呂、シャワーなどの共有スペースと8つの個室(8.3~10.7m2)があります。家賃は65000~70000円、共益費が25000円です。共益費には、電気、ガス、水道などの光熱費と週2回のチャイルドケア、共有部分の清掃などが含まれます。
入居費用は月に10万円程度になりますので、周辺のワンルームマンションよりも割高な家賃設定ですが、現在、8部屋中7部屋が埋まっています。
入居している方の年収は、ほぼ300万円以上で、昼間の仕事に付いていることが条件です。
空き家の活用策としてシェアハウスに注目が
2013年から、シェアハウスは法的に「寄宿舎」の指定を受けるようになりました。建築基準法や消防法の関係上、新たな開発・改修が難しくなりました。
しかし、空き家対策などの必要性から、200m2以下の小規模施設に限り、寄宿舎における防火の間仕切り規制が緩和されました。東京都の寄宿舎基準条例が緩和され、公文書に初めて「シェアハウス」という文言が登場しました。
一方、2015年5月より「空き家対策特別措置法」が完全施行され、空き家に対して大変厳しい環境となってきました。
空き家を活用した「シングルマザー向けのシェアハウス」に強い追い風が吹いていると言えます。
地方創生に流れを受けて、大都市型のフォーマットとは一線を画する「シングルマザー向けシェアハウス」を模索する時代が来たと実感しました。