7月19日、20日の両日、井手よしひろ県議は長野県大町で開催されている”北アルプス国際芸術2017”を視察しました。市民の主導の町おこし勉強会から結実した地域芸術祭。北川フロム氏を総合ディレクターに迎え、個性的な作品が観客を迎えてくれました。
アーティストグループ「目」:信濃大町実景舎
信濃大町の駅に降りて、まず目につくのが鷹狩山の頂上に存在感を誇示するアーティストグループ「目」の作品。「信濃大町実景舎」は、山頂に立つ古民家をまったく作り替えた驚きの作品です。実際の絶景と「目」が作った虚構の世界が見事に一体化しています。
ニコライ・ポリスキー:バンブーウェーブ
山中に小さな集落が点在する八坂地区には、景観をいかした作品が展示されています。ロシア人アーティストのニコライ・ポリスキーによる「バンブーウェーブ」は、現地に生える竹を束ね、先端をくるりとしならせた柱が林立する作品です。地域住民とともに半年近くかけて制作したという力作。葛飾北斎の富嶽三十六景がモチーフというから驚きです。地域住民の大変な協力のもと生まれた作品です。
フェリーチェ・ヴァリーニ:集落のための楕円
同じ八坂地区に出現した不思議な光景。3世帯の家族が住む民家に、黄色の落書きが…斜面に張り付くように建つ家屋が、ある地点から振り返ると楕円の魔術に包まれます。この作品も、地域住民の協力なしには絶対に生まれませんでした。
アルフレド、イザベル夫婦:ウォーターフィールド(存在と不在)
木崎湖に浮かんだ不思議な船団。幼児用の玩具、草履、バケツなど、地元の家庭から集めた、不要になった日用品で装飾されたボートの群れを湖畔から眺めるという作品です。色あせた日用品を乗せたボートはどこかはかなげで、作品名にある「存在」と「不在」について考えさせられます。
北アルプス国際芸術祭の開催には、強い反対の声もあったそうです。反対派の批判が一番強かった作品です。そんな声も、軽やかに聞き流す余裕を感ずる作品です。
マーリア・ヴィルッカラ:ACT
大町温泉郷にある森林劇場を舞台にした作品。観客が普段上がることのないステージに立つと、舞台が水で満たされているかのようにみえます。指揮台に立つと、誰もが自分にスポットライトの当たる瞬間を体験できます。思わず、指揮棒を振ってしまうのは私だけではありません。