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公的臍帯血バンク – 日本さい帯血バンク支援ボランティアの会 代表 有田美智世さんに聞く

管理者 1997年8月8日
970808saitai

日本さい帯血バンク支援ボランティアの会
代表 有田美智世さん に聞く

ide_qus臍帯血とは何ですか。

arita_ans胎児の命をはぐくんだ胎盤と臍帯(へその緒)の中にある血液のことです。その中には血液の元になる細胞がたくさん含まれています。
 胎盤は、赤ちゃんが生まれて臍帯を切り、十分から三十分くらいの間に、後産(あとざん)として出ます。臍帯血の採取量は70ccから80ccが平均的といわれていますが、200cc以上のケースも報告されています。

ide_qus臍帯血移植は、なぜ必要なのですか。

arita_ans白皿病や再生不良性貧血などの患者さんに対して、骨髄移植(骨髄に含まれる造血幹細胞=血球を作る細胞を移植することで病気を治す)が医療として取り入れられ、徐々にこれらの病気が治るようになりました。
 しかし正常な造血幹細胞を持つ提供者(ドナー)のコーディネイト(調整)に長期間が必要な上、骨髄を採取する際に行う全身麻酔や数日間の入院が必要なことなど、提供者の都合で骨髄提供を断られることもあり、患者さんの必要な時に間に合わないというケースが起こっています。
 臍帯血移植が必要な理由としては、臍帯血は既に採取され、冷凍保存されているものを使うので、①医療が必要とする時すぐに提供できる②提供者が外科的行為を受けることなく安全で、経済的、時間的負担がほとんどない③血液のHTA(白血球の血液型)のタイプが多少違っても拒否反応を起こしにくい④臍帯血中の造血幹細胞は骨髄液のそれに比べ5~10倍多い--などが挙げられます。

ide_qus臍帯血の採取方法、治療方法は。

arita_ans出産後、体外に出た胎盤の血液を臍帯から採取する方法と、まだ胎盤がおなかの中にある状態で臍帯から採取する方法とがあります。もちろん両方法とも全く安全です。臍帯血採取後は、24時間以内に検査、保存します。検査は、HLAのタイプや移植の時に血液を介して移る病気を防くための血液検査を行い、合格したら液体窒素(マイナス196度)の中で冷凍保存して患者さんの要請に備えます。
 患者さんへの治療方法は、臍帯血の点滴輸血です。

ide_qusこれまでの手術例はどれくらいありますか。

arita_ans今のところ、わが国では兄弟間で17例、地域バンクを通しての他人間が1例の18例と聞いています。

ide_qusなぜ、公的バンクの設立が必要なのですか。

arita_ansまず、移植を必要とする人たちが公平に、必要な時に、治療を受けてほしいという思いが強くあります。臍帯血バンクを立ち上げるには、検査機器や冷凍庫などの機材をそろえ設備面を整える必要があります。また、HLA検査などに莫大なお金が掛かるため民間では大変です。
 公的資金を出すことによって国の責任が明確になるとともに、すべての患者さんが公平に医療を受けられ、結果として守られます。

ide_qus臍帯血バンクを始められたきっかけは、

arita_ans私は30年以上、献血推進運動に取り組んできましたが、その過程で1980年代後半に骨髄バンク設立運動が起きました。もとより医療は人々がより幸せになるためのもので、提供者の献血の安全性をカバーするためには、どうしたらいいかというのが私の課題でした。
 当初、臍帯血は採取量が少ないと言われましらが、欧米では臍帯血バンクがつくられ、システムとして機能している現実を知りました。わが国でも「骨髄移植推進財団」の設立(1991年)をきっかけに、より素晴らしい移植医療を確立したいと思い、運動を起こしました。

ide_qusわが国の臍帯血移植の取り組みの現状は。

arita_ansこれまで主に、兄弟間で行われてきましたが、これでは必要とする人たちすべてに間に合わない。現在、地域に研究バンクとして「神奈川臍帯血バンク」「近畿臍帯血バンク」などがあり、それぞれネットワークが機能し始めています(今後、より多くの提供者を募り、他人間での移植を推進しようという流れができつつあります。

ide_qus諸外国の実態はいかがでしょうか。

arita_ansフランスなど欧州や米国に公的臍帯血バンクがあります。ニューヨーク血液センター・臍帯血バンクでは7,000もの臍帯血をストックし、これまで500例の移植が行われています。

ide_qus臍帯血移植を進めるための今後の課題は。

arita_ansまず、臍帯血が安全に採取、輸送、保存、供給できるシステムをつくり、治療現場の求めに迅速に対応できるために公的バンクの設立が急務です。
 また、骨髄移植と血液採取の部位が違うだけの臍帯血移植ですが、保険適用がないため1,000万円くらいの費用がかかり、一般の患者さんにとっで大変な高額です。保険適用の見直しは2年ごとで、次は1998年4月です。治療が受けられない患著さんを救うため、一日も早く保険適用が求められるほか、臍帯血を国の血液事業の中に付置付けた血液事業法の制定も必要です。
 さらに医療提供者、行政は患者にとって最高の治療ができるよう、最善の努力をしてほしいと思います。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
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