五霞町と幸手市の越県合併が「白紙」に
幸手市長選で、久喜・鷲宮合併優先の町田市長が当選
「平成の大合併」で全国二例目として注目された茨城県五霞町と埼玉県幸手市との越県合併が、11月9日に行われた幸手市長選挙の結果、五霞町との合併より、久喜市・鷲宮町との合併を優先させると公約した町田英夫氏が当選したことによって、白紙に戻されることになりました。
11月14日、町田市長は五霞町の大谷隆照町長を訪ね、両市町の法定合併協議会を解散を公式に申し入れしました。
五霞町の大谷町長は11月17日、解散申し入れを受け入れ、当面は単独のまま合併相手を模索する考えを表明し、同日開かれた町議会全員協議会も、法定協解散に全会一致で同意しました。
今後、11月26日の第8回法定協の場で、会長職にある幸手市長から正式に解散提案が出される見通みです。
●4月の統一選で、市議会の勢力は久喜・鷲宮派が優勢に
幸手市議会は3月定例市議会で、13対11の小差で五霞町との法定協設置条例を可決しました。
しかし、4月の統一地方選挙で、久喜市との合併優先派市議は13人となり、勢力が全く逆転しました。6月定例市議会では、久喜市と鷲宮町の合併優先を求める決議が可決されるなど、合併問題をめぐって両派が対立していました。 幸手市が2002年9月に実施した合併関連の市民アンケートで、合併相手は久喜市が最も多く80%に達していました。反対に、五霞町は6番目の23%しかありませんでした。
五霞町には、5つの工業団地があり、優良企業が70社以上も進出しています。町内には首都圏中央連絡自動車道のインターチェンジ設置計画もあります。
増田実前市長はこれらに着目し、自ら五霞町へ合併を申し入れた経緯がありました。増田前市長は市議会の決議に対しても、「政治生命を懸ける」として、五霞町との合併に固執しました。
●幸手市民は、久喜・鷲宮との合併優先を選択
このため、幸手市内の市民団体「久喜市・鷲宮町との合併を優先する市民の会」は、8月に増田前市長のリコールを求める署名を集め本請求をしました。増田前市長はリコール投票前に辞職し、「合併特例法の期限内にこだわるのなら、合併相手は五霞町が一番よい。その後に久喜市や鷲宮町とも合併を協議する」との公約を掲げ、出直し市長選に立候補しました。しかし、約6200票の差で、新人の町田英夫氏に破れました。
町田市長は、当選翌日の11月10日に大谷町長を訪ね、「五霞町とは交流は深いが残念。久喜市と鷲宮町との合併を優先する民意を受けて当選した。法定協は休止・凍結したい」と伝えました。大谷町長は、その申し入れを受け入れざるを得ませんでした。
●今後の五霞町の方向性は
今後の五霞町の選択肢としては、①幸手・久喜・鷲宮が合併した新市に編入する②他の埼玉県内市町村と合併を検討する③県内市町村と合併を検討する④合併せずに現状維持―などが考えられます。
五霞町は人口約10200人、歳入50億円程度の小規模自治体。昨年12月の合併に関する町民アンケートでは、合併賛成が67%に上り、合併の相手は、「埼玉県がよい」が8割を超えています。五霞町は、茨城県では唯一、利根川の南側に位置し、茨城県との接点は、総和町とつなぐ新4号バイパスの新利根川橋だけです。町民は、茨城県よりも埼玉県との結び付きが深くなっています。
10月17日に行われた大谷町長の会見に同席した染谷森雄町議会議長は「今後は町の合併調査特別委員会を通じ、猿島郡内の市町と情報交換していきたい」と語ったと報道されており、今後とも五霞町の動向が注目されます。
参考:幸手市五霞町合併協議会:リンク切れ
参考:五霞町の公式HP:リンク切れ
参考:幸手市の公式HP
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