1月8日付けの記事「鳥インフルエンザ、トリから人への感染の可能性」で、県内養鶏場関係者ら40人が弱毒性のH5N2型インフルエンザウィルスに感染していた可能性があったことを紹介しました。
本日(1月10日)厚生労働省と国立感染症研究所は、茨城県と埼玉県の該当する養鶏場の従業員ら77人(内茨城県分は70人)が、過去にウイルスに感染していた可能性があると発表しました。いずれもインフルエンザの症状は出ておらず(発症はなし)、感染が広がることはないとしました。
この弱毒性ウイルスに感染したかどうかを示す判断基準は、現状では確立していません。今回の発表では抗体価が40以上または抗体価上昇が4倍以上を陽性としました。H5N2型の人への感染可能性が示されたのは世界で初めてとなりました。
東南アジアなどで死者が報告されているのは、H5N1型で、今回は毒性が弱いH5N2型です。
検査は、昨年6月以降に鶏の鳥インフルエンザへの感染が分かった茨城、埼玉両県の34養鶏場の従業員ら319人と、鶏の殺処分など防疫作業に従事した茨城県職員ら34人を対象に行われました。ウイルスに対する血液中の抗体を約1カ月おきに2度調べ、従業員72人と防疫に従事した5人が「陽性」と判定されました。
抗体陽性の人の中に、血液からウイルスが検出された人はおらず、すでにウイルスは消滅したとみられます。
尚、殺処分に関わった防疫作業員34名中5人に感染が見られましたが、作業開始日から6日以内に採取を行ったのにもかかわらず、すでに抗体が陽性であったことから、防疫作業による感染はなかったものと思われます。(通常、抗体価が上昇するには2~3週間かかるために、作業開始前にすでに感染していた見られます)