2月19日、茨城県庁において、猪口邦子内閣特命担当大臣(少子化・男女共同参画担当)による、男女共同参画研修会が開かれました。これは、昨年末に閣議決定された男女共同参画基本計画(第2次)について、担当大臣自らが地方議員や政策担当者にその内容やジェンダー(社会的性別)の正確な理解を求めることを目的としています。
猪口大臣は、特に日本がGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)の国際比較の中で80カ国中43位と発展途上国に比べても低い事実を強調し、政府や地方の行政の中で先進的に政策・方針過程への女性の参画拡大の必要性を力説しました。
また、ジェンダー(社会的性別)という言葉の定義を明確にしたことを説明し、男らしさ女らしさを否定して人間の中性化を目指すことや、家族やひな祭りなどの伝統文化を否定することは、男女共同参画とは異なると明言しました。具体的な事例として、児童生徒の発達段階を踏まえない行き過ぎた性教育、男女同室着替え、男女同室宿泊、男女混合騎馬戦などをあげ、極めて非常識であるとしました。
猪口大臣からの説明の後、質疑応答の時間がとられました。
松戸市から参加した市議会議員から、女性の公的分野での社会進出を促すことは政治の場では投票の自由など影響することはないか、教育の場での男女混合名簿をどう考えるか、などの質問が寄せられました。男女混合名簿について猪口大臣は、「基本計画で否定はしていない、一律的にやるとかやらないとかを規定してはいないので、教育委員会、学校長の判断に任せたい」と回答しました。
また、栃木県から参加した女性からは、鯉のぼりを女児の成長を祝う意味で揚げる運動についての所感が問われました。
短い時間ではありましたが、猪口大臣の熱い思いが実感できた研修会となりました。県議会議員の中でも、男女共同参画への理解は、まだまだ低いのが実態です。「地方が男女共同参画の分野で国をひっぱてもらいたい」との言葉が印象的でした。
参考:男女共同参画基本計画(第2次)
<猪口大臣の講演の模様>