9月7日、井手よしひろ県議ら、公明党の県議団は、つくば市観音台の「独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター」を訪れ、組織・施設の概要とバイオマス資源研究チームの研究内容などについて説明を伺いました。この視察には、井手県議、農林水産委員会所属の高崎すすむ県議、地元つくば選出の田村けい子県議が参加しました。また、県の農林水産部の担当者も同席しました。
中央農業総合研究センター企画部長の矢治幸夫企画管理部長(農学博士)よりセンターの概要などについて説明を受け、バイオマス資源循環研究チームの上席研究員岡田謙介農学博士、同じく富樫辰志農学博士から、休耕地の利用促進を図るために、なたね・ひまわりを栽培促進を図り、食用油を精製する取り組みや、廃食用油から軽油と同じように燃料として使用できるBDF(バイオディーゼル燃料)の生産技術研究について、説明を聴取し意見交換を行いました。
先日(8月29日)現地調査した行方市沖州で実証的に栽培されているひまわりは(「行方市のひまわり栽培を現地調査」をご参照下さい)、この研究チームの指導で行われているものです。できるだけ省力化(機械化)する中で、安定的、効率的に栽培を行うノウハウが研究されています。また、収穫されたひまわりやなたねを、高品質な食用油に加工する技術や装置の研究も行っています。行方市には、ドイツから輸入した搾油機を設置して、ひまわり油の精製を行う予定です。
また、廃食用油や動物性ラードなどから、効率よくBDFを作る技術が研究されています。この研究は、廃食用油等を高圧・高温で処理することで、超臨界状態を作り出し油脂とエタノールを反応させる方式で、STING法と呼ばれています。グリセリンなどの副精製物も非常に少ない優れた方式です。イニシャルコストが高くつくディメリットがありますが、24時間自動運転ができることや廃棄物がほとんど出ないなどのメリットも多く、なにより、凝固点が低い高品質のBDFの生産が可能です。今後、こうした特長を活かしながら、可動式(トラックなどで移動が出来る小型プラント)の装置などを開発し、バイオマスエネルギーの普及促進を図って行く計画です。
意見交換では、今後の地域での取り組みと県の支援策のあり方などが話題となり、県の担当者も交えて、活発な議論が交わされました。
(写真上:STING法によるBDF精製装置、写真下:精製されたBDFを燃料として走るマイクロバス)
参考:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センターのHP