「一律救済」に沿った救済法案の成立確実に
12月28日、薬害C型肝炎問題で、自民・公明の与党肝炎対策プロジェクトチームは、福田首相が表明した「全員一律救済」に沿った議員立法の救済法案骨子と、国と原告側が和解する際に必要な基本合意書案を取りまとめました。
与党プロジェクトチームは、その内容を被害原告弁護団に提示。原告弁護団は、「我々の要望はすべて、立法か政府との基本合意か、肝炎対策基本法のどこかに盛り込まれると理解した」と語り、与党案の受け入れを表明しました。その上で、全国5地裁、5高裁で進む肝炎訴訟についても「年明けから基本合意書を訴訟外でつくり、各裁判所に提出し、順次和解していく形になると思う」と語りました。(弁護団代表鈴木利広弁護士のインタビュー:朝日新聞2007/12/28付けより)
与党が取りまとめた救済法案では、救済法案の前文案として「政府は、感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め、感染被害者の方々に心からおわびをすべきである」と明記。立法府から政府に対して、国の責任と謝罪を明確にするよう求めています。
救済対象は「フィブリノゲン製剤」と「第9因子製剤」の血液製剤を投与された被害者。給付金は、①肝炎ウイルスによる死亡・肝がん・肝硬変:4000万円、②慢性肝炎:2000万円、③無症状のウイルス感染者:1200万円、の3段階とします。請求期限は法律施行から5年以内ですが、給付を受けてから10年以内なら、症状が悪化した場合に医師の診断書を提出することで追加給付が受けられます。
今回の法案では投与時期にかかわらず、被害者の症状に応じて給付金を支払う「一律救済」が実現しました。投与事実の証明や認定は、各地の裁判所による「司法認定」とすることが決まっています。
また、最大200億円規模の基金を国と製薬会社の拠出で創設し、運営は独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」に委ねることになります。
与党は年明けまでに救済法案を取りまとめ、来年1月7日に国会に提出し、会期末の1月15日までの成立をめざします。野党も原告ならびに弁護団との合意を条件に与党案に賛成するとしており、臨時国会で救済法案は成立する見込みです。