6月26日、井手よしひろ県議は、JA稲敷あずま支所を訪ね、飼料用イネの栽培状況について聞き取り調査を行うとともに、栽培の現場を視察しました。これには、地元の浅野稲敷市議も同行しました。
稲敷市内では、旧東町地内を中心に10年前から飼料用イネの栽培が始まり、平成19年には60ヘクタール、今年は105ヘクタールと大規模な栽培が展開されています。この地区の飼料用イネは茎ごと収穫し、発酵貯蔵される「フォールクロップサイレージ:WCS」として出荷されます。
WCSの栽培に当たっては、生産者と畜産農家、そしてその両者を結び付けるコントラクターの存在が重要になります。コントラクターは、生産農家が栽培した飼料用イネの刈り獲りから発酵させるためのラッピング、保管、畜産農家への運送まで行います。刈取やラッピングが一連に行えるトラクターは1000万円以上するため、大規模の設備投資も必要となります。販売先の畜産農家の拡大や品質向上のために、畜産農家の声を集め、その情報を栽培農家にフィートバックするなど、飼料用イネの栽培を成功させるキーパーソンといっても過言ではありません。稲敷市では、今年から1件増えて3件がコンストラクターとして活動しています。
農家のコンストラクターへの販売価格は約7000~8000円(10アール当たり:以下すべて)程度ですが、稲敷市の場合、産地づくり交付金55000円、農畜連携交付金11000円程度が上乗せされるため、農家の手取りは75000円前後となります。
畜産農家は、コンストラクターから36000円程度で購入しますが、10000円程度の補助金が補てんされます。
国の補助金なしでは、成り立たない米の飼料化サイクルですが、水田環境を守るためにも、輸入穀物の高騰で死活問題となっている畜産農家にも有効な農業政策です。