昨年(2009年)10月5日、橋本昌茨城県知事は県議会での知事5期目の所信を表明し、県立中高一貫教育校の設置と特別支援学校(養護学校)の増設を表明しました。「中等教育の一層の多様化を進め、一人一人の個性をより重視した教育を実現するため、中高一貫教育を推進しますとともに、創造性豊かな特色ある私学教育の振興を図ってまいります。また、知的障害児童生徒の増加等に対応するため、特別支援学校の新増設を進めてまいります」(県議会議事録より)
中高一貫校については、県立日立一高を「併設型」一貫校とする計画を取りまとめました。これは、井手よしひろ県議ら日立市選出の県議会議員らが強く要望していたもので、2013年度開校を目指して、付属中学校を開設し、入試なしで高校に進める一貫校とする計画です。この併設型一貫校の特徴は、他の中学校の卒業生も入試を経て日立一高に進めることです。6年間の一貫教育で、科学教育や国際教育に重点を置くとともに、地域の医師不足を踏まえ、医学系進学コースも設置することも検討されています。
また、県西地域には、古河市に中高一貫教育校を新設する方向で最終調整が行われています。1市2町が合併して新生なった古河市には、県立高校が6校あり、これからの生徒数減少を見据えて、このうち1校を中等教育学校にフルモデルチェンジすることを検討しています。古河三高、総和高、三和高の3校が候補に挙がっていると地元紙では報道されています。
中高一貫校については、2003年度に常陸大宮市に「連携型」の小瀬高が、08年度につくば市に並木中等教育学校が開校しましたた。特に、県下初の中等教育学校の並木は人気が高く、初年度の志願倍率が7倍を超えました。
一方、養護学校の拡充については、結城市の結城養護学校から分離新設する新校を境町に、ひたちなか市の勝田養護学校の分校を県北地区にそれぞれ設置する再編整備計画を公表しました。
境町の新設校は、2010年度末で廃校となる県立境西高の跡地を利用する予定です。新設校は境町と古河市、坂東市、五霞町を通学区域とし、200人規模の児童生徒数を見込んでいます。
県北の分校は、常陸太田市周辺で統廃合される小中学校の跡地利用を活用する計画です。旧日立市、旧常陸太田市、旧大宮町、那珂市が通学区域となります。児童生徒数が100人前後で、新設校ではなく分校とし整備することになりました。
また、再編整備計画では、美浦養護、伊奈養護学校の校舎増築、水戸飯富養護学校の通学区域の一部変更、医療的ケアを行う看護職員の増員などにも着手する方針です。