この2010年は、茨城県にとっても、日立市にとっても、変化の大きな節目の年です。日立市と茨城県に関わる今年一年を展望してみたいと思います。
ウェルサンピア日立は日立市営の施設としてリニューアル
一昨年(2008年)冬、多くの市民の皆さまの署名運動の後押しを受けて、厚生年金の施設である「ウェルサンピア日立」は、昨年5月、日立市が3億4500万円で落札しました。このゴールデンウィーク前には、市の施設「久慈サンピア日立」として生まれ変わることになりました。
具体的には、ホテル部分は、南洋ビルサービスとレンティック中部の共同企業体が指定管理者に選定され、管理・運営にあたることになっています。プールやテニスコート、アイススケート場などは日立市体育協会が管理運営にあたります。土地と建物を市が保有することで安定した経営が確立し、民間企業が経営することできめ細かな効率的な運営ができるものと期待されています。
メルセデス・ベンツ日本、新車整備を日立市に集約
日立港にも明るい話題があります。ドイツの高級車メルセデス・ベンツの日本法人メルセデス・ベンツ日本社は、日立市と愛知県豊橋市で展開している新車整備センターを、日立市に集約することになりました。物流の効率化やコスト削減のため、豊橋市内の新車整備センターをこの3月で閉鎖し、日立港の施設を拡充し、輸入基地を一本化することになりました。なお、豊橋センターの従業員も日立市に転勤させる予定です。
日産車の北米向け輸出を日立港から
また、日産自動車は栃木工場で生産している北米向けの自動車の一部を、今春五月より、日立港から輸出することになりました。現在は横浜港などを利用していますが、茨城港に替えると陸上で輸送する距離と時間が短くなり、自動車の輸出に伴う二酸化炭素やコスト削減につながると判断しました。
日産自動車の日立港での取り扱い見込みは、約6万台と見られ、年間30隻以上の自動車専用船が入港します。
東京ガスがLNG備蓄基地を日立に新設
さらに、昨年12月、東京ガスは日立港に建設を予定しているLNG備蓄基地の計画を、2年間前倒しし平成27年に完成させると発表しました。日立港に新たに工場を建設して都市ガスを製造し、パイプラインで栃木方面と結び、家庭や企業などに供給する計画です。設備投資額は1000億円程度見込まれており、地域活性化の起爆剤として期待されています。
さくらシティ日立の解体始まる、跡地はカスミのショッピングセンターに
アメリカ証券大手リーマン・ブラザーズ破綻の影響で、一昨年閉鎖した複合商業施設「さくらシティ日立」の跡地に、県内スーパー大手「カスミ」が出店することになりました。すでに、昨年11月から建物の解体が始まっており、今年5月末ごろまでに更地になる予定です。
さくらシティは、ボンベルタ伊勢甚の撤退を受けて、2006年に開業。しかし、資金調達に行き詰まり、2008年10月に閉鎖に追い込まれました。
さくらシティは、日立商工会議所の有志が「まちづくり会社」を設立し、リーマンからの抵当権取得を目指しましたが断念した経緯があり、跡地利用が市民の大きな関心事となっていました。
河原子北浜で全日本サーフィン選手権
一方、イベントでは日本サーフィン連盟主催の「第45回全日本サーフィン選手権大会」が、河原子北浜海岸で開催されることが決定しました。開催期間は8月25日~29日の5日間です。
河原子北浜海岸は、サーフィンに好適な海岸で、地元のサーファーを中心に、日立の海を全国区にしようと数年前から熱い運動が続けられて来ました。昨年夏、ジュニアの全国大会を成功させ、今回選手権大会の誘致に成功しました。
日立一高を併設型中高一貫校に、医学部進学コースも
中高一貫校については、県立日立一高を「併設型」一貫校とする計画を取りまとめました。これは、井手よしひろ県議ら日立市選出の県議会議員らが強く要望していたもので、2013年度開校を目指して、付属中学校を開設し、入試なしで高校に進める一貫校とする計画です。この併設型一貫校の特徴は、他の中学校の卒業生も入試を経て日立一高に進めることです。6年間の一貫教育で、科学教育や国際教育に重点を置くとともに、地域の医師不足を踏まえ、医学系進学コースも設置することも検討されています。
日立市に新たな技術教育の拠点を
日立市選出の県議会議員は、県北臨海地域の中小企業等が求める技能者の養成・供給や企業在職者の技能向上などに大きく寄与している県立日立産業技術専門学院について、時代の要請に応えることができる施設に立て直すことを強く要望しています。昨年行われた技能五輪全国大会でも、施設の老朽化が指摘されました。
井手県議らは、同学院の重要性や利用者の利便性等を考慮し、JR常陸多賀駅前への移転・新築について具体的に検討することを求めています。
県のドクターヘリ7月に就航
話しを県政に向けてみると、井手県議のマニフェストが大きく前進しました。
その一つは、県のドクターヘリの導入決定です。ドクターヘリは、心筋梗塞や脳梗塞、交通事故などのような一刻を争う救急患者に対して、ヘリコプターで専門の医師と看護師が駆けつけ、応急措置を行いながら設備の整った病院に患者さんを搬送するというシステムです。既に、運航業者やヘリコプターの機種が決定しています。4月からは訓練運航が始まり、7月には実際に救急の場に就航することになっています。
子どもの医療費無料化を小学校3年生までに拡充
また、懸案であった子どもの医療費無料化も、小学校3年生まで拡充されることになりました。現在は、小学校入学までが無料化されていますが、私ども公明党では義務教育終了までの無料化を強く要望してまいりました。今回、そのワンステップとして小学3年生まで拡充されることになりました。
少人数学級を小学校4年生と中学1年にまで拡大
茨城県では、義務教育での学力向上やより個性を伸ばす教育の実現を目指して、クラス編成の少人数化を目指しています。平成22年度は、現在小学校2年生までとなっている少人数クラス編成を、小学校4年までに拡大。さらに、中学校1年生も少人数学級を導入することになりました。
日立市の最大の課題は日製日立総合病院の産科再開
県の財政は大変厳しい状況が続いています。行財政改革の推進や住宅供給公社など3公社の清算問題なども待ったなしの課題です。さらに、日製日立総合病院の産婦人科再開は、日立市にとって最優先の課題です。4月からの産科再開を目指して、病院当局、茨城県、日立市は全力を挙げています。
皆さまのお力をお借りして、こうした課題に真っ正面から挑戦してまいります。