民主党の「子ども手当・存続します」ビラが、笑い物になっています。各新聞やテレビは、「子ども手当存続します。民主がビラ35万枚」、「子ども手当に未練? 民主ビラで“強弁”」、「看板政策を捨てていないという“苦肉の策”」などと騒ぎ立てています。自民党の石原幹事長や石破政調会長も民主党を「嘘つき」といってはばかりません。
昨日、民主党の岡田幹事長は、公明党の井上幹事長に「ご迷惑かけました。申し訳ありません」と謝罪してきました。
問題のビラは民主党が35万枚作り、お盆前の11日から都道府県連や総支部に送っているものです。オウム事件で有名になった有田議員のサイトに、その写真が大きく載っています。途中で修正も加えているようですから、党中央のしかるべき機関で正式に決裁された内容と思われます。
内容は「誤解しないでください 子ども手当存続します」を大見出しにし、「Q:来年度も子ども手当は続くのでしょうか。A:はいそうです。3党合意により恒久的な制度になりました」などのQ&Aがあり、「民主党がチルドレンファーストを主張。旧政権下でも時代の要請を取り入れて政権交代前には約1兆円まで増額されました」などと述べています。“苦し紛れの言い訳ビラ”そのものです。
正しくは、 子ども手当は廃止され、児童手当が拡充されるのです。3党合意では「平成24年度以降の子どものための現金給付については児 童手当法に所要の改正を行うことを基本とす」とあります。つまり、子ども手当法の改正ではなく、児童手当法の改正、児童手当の拡充でいくこ とが明確です。
民主党が一昨年の衆院選マニフェストで謳っていた月2万6000円、所得制限なしとは全く異なるものとなりました。というより、この子ども手当のマニフェスト自体が財源的に実現不可能であったということです。
また、チャイルド・ファーストと言ってきたのは公明党です。「民主党の要請を取り入れて政権交代前に は約1兆円まで増額されました」などと言っていますが、公明党が進めた児童手当の拡充の法改正に4回とも全部反対してきたのが民主党。まあ、盗人猛々しいというか、嘘で固められたビラというか、よくぞこんなビラ作れたなと、呆れてしまいます。
ムダを削ったら財源はいくらでも捻出できるといい、結局は財源を見込めず「子ども手当」は破綻しました。どんなに言いつくろうとも、その事実は曲げられないのです。
ついでにもう一つ指摘しておきます。このチラシを35万枚作ったといっていますが、政権党が作るチラシにしては少なすぎます。国会議員だ けで400人以上いる民主党。1人に1000枚配っても40万部必要です。47都道府県に約7500枚づつ。公明党がチラシを作るとした ら、茨城県だけで最低10万部必要です。こう考えると民主党本部も、このデマチラシを民主党の議員自身が配る気になれないことを、よく知っていたのかもしれません。