11月4日、井手よしひろ県議は日立市役所に防災担当者を訪ね、放射線量計の貸し出し状況や具体的な除染活動の状況について説明を受けました。
日立市では10月17日より小型の線量計(ラビRadi:堀場製作所)の一般市民への貸出を始めました。無料で1日単位で借りることが出来るために、大変好評で、最長2カ月近くの順番待ちが発生しています。
こうした現状を改善するため、11月15日から新たに16台の線量計を用意して、対応することにしました。
貸出場所 | 本庁 市民課 |
多賀 | 南部 | 豊浦 | 日高 | 西部 | 十王 | 合計 |
配置数 | 5 | 5 | 4 | 4 | 4 | 2 | 4 | 28 |
追加数 | 5 | 5 | 3 | - | 2 | - | 1 | 16 |
予約数 | 265 | 287 | 164 | 80 | 121 | 14 | 131 | 1062 |
※10月21日現在の数字です。
尚、借用する際は測定した箇所のデータを市に報告することになっています。井手県議は、そのデータを地図上にマッピングして、インターネットのホームページなどで公開するよう要望しました。
なお、これまでに貸出を受けた市民が測定した中で、局所的に最も高い線量は0.53μSv/hでした。
11月中旬から0.23μSv/h以上の小中学校、幼稚園、保育所を除染
また、日立市では除染に関わる放射線量の基準を従来の1時間当たり1μSvから0.23μSvに引き下げることを決定しました。
この基準は、環境省の原発から受ける放射線量を年間1mSvに抑えるとの方針に準じたものです。公立の幼稚園、小中学校、保育園の校庭や砂場で、1日8時間屋外に、16時間室内にいると仮定して、計算されたものです。室内での線量は屋外の4割に低減するとの前提で計算されてます。こうして出た1時間当たり0.19μSv/hという数値に、自然界の放射線量の平均0.04μSv/hを足して、0.23μSv/hという数値を定めました。
この基準値0.23μSv/h以上の線量が測定された小・中学校、幼稚園、保育所を11月中旬から業者による除染作業を始めることにしています。
除染方法は、校庭は表面の土を深さ約1cm分取り除き、新らたに山砂で覆います。砂場も砂は全て入れ替えることにしています。それぞれの汚染された土や砂は、土嚢袋に入れた上で、各敷地内に掘った穴に入れビニールシートで養生して埋めるとしています。
現在までの計測結果では、中学校2校、小学校7校、幼稚園5園、保育園5園の計20カ所が、基準値の0.23μSv/hを超えています。(局所的に放射線量が高い場所も含みます)
来週から改めて計測した結果をもとに、11月中旬から除染作業を始めることになっています。日立市では、約4000万円の予算を見込んでいますが、国の支援の具体的な枠組みが決まっていないために、担当者も困惑しているとのことでした。
(写真上:井手よしひろ県議が借用した日立市の小型線量計、写真下:北茨城市の保育施設の除染作業の模様)