永年の懸案であったJR大みか駅の整備工事がいよいよ具体化します。日立市は、平成26年度の新規事業として大甕駅周辺地区整備事業に1億2253万円を計上しました。本年度は駅舎改築・東西自由通路の設計や、西側駅前広場と南北アクセス道路などの設計を予定し、地下式となる駅舎と東西自由通路では近くJR東日本との設計に関する協定を結ぶことにしています。暫定供用開始は平成29年春。完成は30年春を目指します。総事業費は35億7000万円を上限としています。
大みか駅の建て替え事業では当初、平成13年度に駅周辺を対象にしたまちづくり計画が検討されました。しかし、旧日立電鉄線の廃止を受けて、計画の抜本的な見直しに迫られました。旧日立電鉄線の廃止後は、日立電鉄線跡地活用整備基本構想の策定(ひたちBRTの整備計画)を受けて、22年度から新たな検討をスタートさせ、住民の意見集約や全体計画の策定作業を進めていました。
新たな計画では、●駅舎改築と東西自由通路、●西口駅前広場、●南北アクセス道路、などを盛り込みました。茨城キリスト教大学の関連施設が並ぶ西側と既存の大みか町の商店街を結び、多様な交流と賑わいのあるまちづくりの推進とシンボルづくり、交通機能強化によるまちの一体化などを図るのが目的です。また、ひたちBRTの鉄道との結節点として整備します。
大みか駅東西を結ぶ自由通路は駅前の起伏などを考慮し、十王駅と同様に地下式を採用します。現在の東口駅前広場から、新たに整備する西側の駅前広場に結ばれ、駅舎は自由通路内に接続されます。自由通路の延長は、東口広場から線路西側までを約55mとなります。
駅舎改築と東西自由通路の設計・施工はJR東日本に委託して行われます。近く設計業務に関わる協定をJRと締結します。当初予算には、大みか駅舎改築・自由通路新設設計業務委託として本年度分の委託料のほかに限度額1億680万円の債務負担行為が設定されており、2ヵ年で概略・詳細設計をまとめる方針です。
西口駅前広場と南北アクセス道路は、日立市が整備を行します。
駅西口には、東西自由通路と結ぶ新たな交通広場を整備されます。広さは約3000平方メートル。旧日立電鉄線跡地をひたちBRT専用道路や新たに整備する南北アクセス道路と接続します。既存の東口広場では、自由通路との接続に伴う改修が行われます。
南北アクセス道路は、BRT専用道路の西側に位置し、北側の都市計画道路森山水木線から南側が県道日立港線までを結ぶます。直線距離にして約1.2kmです。
東西自由通路、西口広場
- 現駅舎東側の階段下部から下り線ホーム西側直下まで、地下式で新設する。
- 東口は、現駅舎地盤、現在のバス・タクシー広場地盤、自由通路地盤の3層構造となるため、これらを連絡する階段を3方向(東、南、北)に設置する。バリアフリー施設として3階式のエレベーターを設置する。
- 西口は、新設する駅前広場地盤(現在のJR線路地盤面と概ね同レベル)と自由通路地盤の2層構造となり、これらを連絡する階段を2方向(西、南)に
- 設置する。バリアフリー施設としてエレベーターを設置する。
- 自由通路は、原則的に人の通行に限定し、自転車の乗り入れを制限する。
新大みか駅舎
- 地下階約780平方メートル(改札口、コンコース・階段、事務室等)
- 地上階約190平方メートル(宿直室、会議室、防災施設等)
- 駅舎については、自由通路中央部に改札口を設け、概ね現駅舎直下の位置にきっぷ売り場や駅事務室などを配置する。
- 改札口内部には、上下線2本のホームに連絡する階段及びエレベーターをそれぞれ1基ずつ設置する。
- 改札口正面のコンコースには、待合スペースやトイレを設置する。(JR施工)
- 駅舎事務室等は2階建てとし、一部の機能(宿直室等)については地上階に設置する。(JR施工)