地方創生の交付金(地域消費喚起・生活支援型地方創生交付金)を活用し、市町村が独自に制度設計
地域の商店街などでお得に買い物ができる、プレミアム(割増金)付き商品券への期待が高まっています。個人消費の喚起に効果が上がっているほか、利用者から好意的なアンケート結果が得られています。
公明党の強い主張で実現して26年度補正予算に盛り込まれた「地方創生消費喚起・生活支援型交付金」には、地方の実情に応じたプレミアム付き商品券の発行事業が盛り込まれました。この交付金は、プレミアム分の経費や商品券の印刷費などに充てることができます。
プレミアム付き商品券は、販売価格より1~2割程度多い金額分の買い物ができる商品券です。全国の主なプレミアム付き商品券的には、額面1000円の商品券なら11~12枚をセットにして、1万円で販売するケースが多くなっています。実施期間や金額、どこで商品が使えるかなどは、発行主体の自治体ごとに異なっています。
公明党の調査によれば、神奈川県相模原市は、2009年11月末~10年3月末の4ヶ月間、総額11億円(うちプレミアム分は1億円)の「第2回プレミアム付さがみはら商品券」事業を実施しました。2億7300万円の新たな消費を、地域に生み出したと試算されています。
一方、大阪府は10年2月17日~3月11日、「ぎょうさん買うたろう!商品券」と銘打ったプレミアム率15%の商品券で、プレミアム分の約3.4倍となる消費を喚起しました。
プレミアム付き商品券を発行した際にアンケートを行った東京都世田谷区では、商品券事業に関して「自宅周辺で利用した」人が9割、「商店街で買い物をする機会が増える」人が6割に上るという調査結果が出ています。
札幌市は、いち早く2014年度補正予算の交付金を活用することを決定。プレミアム率10%の「さっぽろプレミアム付商品券」を2015年8月~2016年1月に実施する計画です。
地域の実情に合った商品券が発行されれば、それだけ大きな経済効果が期待できます。全国商店街振興組合連合会の坪井明治理事長は、「公明党の尽力で地域振興を後押しする貴重な予算を付けていただいた」と話し、各地での発行に期待を寄せています。
茨城県の地方創生交付金の活用事業まとまる
こうしたプレミアム付き商品券の発行を茨城県内の市町村も計画しています。
2月18日、茨城県は一足早く、市町村の商品券事業と連動させる県の施策を発表しました。平成26年度補正予算による地方創生交付金(地域消費喚起・生活支援型地方創生交付金)を活用し、以下4つの事業を展開します。予算総額は26億円です。補正予算に計上し、事業実施は27年度に繰り越されます。
1.農林水産物、工芸品などの県産品の消費拡大
- インターネットを活用した商品カタログやギフトカタログによる県産品の消費促進。専用のインターネットホームページを立ち上げ、県産品を原則5割引で販売。ギフトカタログはフリーチョイス方式で、標準価格6,000円の商品を4,000円で販売。ギフトカタログアイテムは約100アイテム程度。ギフトカタログは5万部発行予定。茨城県の特産品を県内外に割引価格で提供する。
- 茨城県の県産材を使った木造住宅に一戸当たり最大20万円の補助を行う。予定戸数は600戸。
2.交流推進、茨城空港の利用促進
- 茨城プレミアム宿泊券、周遊券の販売。宿泊券は5,000円相当の宿泊券を2,500円で販売。例えば1泊2食7,000円の旅館であれば、そのうち5,000円の宿泊券1枚を使用できる。つまり7,000円の宿泊代を4,500円で利用できることになる(2500円の割引)。1万円以上の宿泊料の場合には、旅行券を2枚使えるようにする。1泊2食で1万2,000円の旅館であれば、7,000円で宿泊できる(5000円引き)。発行枚数は6万部を予定。
- 茨城空港を利用された方にギフトカタログを配布。ギフトカタログには県産品を掲載し、自由に商品を選んでいただく(フリーチョイス方式)。
3.子育て支援、シニア世代の支援
- 茨城県の独自性を活かした取組。茨城県が発行している「いばらキッスカード」、昨年12月から新たに発行している「いばらきシニアカード」を提示することによって、市町村が発行するプレミアム商品券から、さらに2000円の値引きを行う。例えば市町村が1万円で、1万3,000円分の商品が買えるプレミアム商品券を発行した場合、「いばらキッスカード」「いばらきシニアカード」を提示すれば、子育て家庭やシニア世代は1万3,000円の商品を8,000円で購入できることになる。
4.ひとり親家庭への学習支援
- ひとり親家庭への学習支援のため、児童扶養手当対象と生活保護受給世帯に1世帯当たり1万円分の図書カードを配布。ひとり親家庭の支援と、書籍販売店・文房具販売店の売り上げ拡大を図る。