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ひたみち日記

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災害救助法の見直しに向けて-室﨑益輝神戸大学名誉教授

管理者 2017年5月8日

避難所
 大規模な自然災害が続発する中、災害救助法の見直しを検討する必要があります。
 神戸大学名誉教授・室﨑益輝先生が、facebookに2017/5/2~5/5にかけて8回にわたって連載投稿した「災害救助法の改正に向けて」との記事を、弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所代表の津久井進弁護士が、編集し注釈をつけました。災害救助法の問題点や改正への視点を分かりやすく教授してくれています。とても大事な内容ですので、全文シェアさせていただきます。

【災害救助法の改正に向けて】

第1章 特別基準の大切さ
 明日は、憲法記念日である。70年前の昭和22年に、現在の憲法が施行されている[1]。その憲法が施行された5か月後の10月に災害救助法が施行されている[2]。
 災害救助法が70年も前に制定されたので、もはや時代遅れで陳腐化しており、全面的に改正すべきだという声が大きくなっている。災害救助法が今の被災者救援を妨げる元凶だという声さえもある。しかし、私はそうは思っていない。災害救助法が憲法や地方自治法[3]と同時期に制定されたことをみても、そこには自治や人権擁護といったとても大切な考え方が貫かれている。それを、しっかり守らないといけないと思う。
 無論、社会状況も前提とする災害の規模も制定当時とは大きく違ってきているので、その違いに配慮した修正がいるのは言うまでもない。ただ、その修正の声に押されて、大切なものまで修正してしまう「愚」は避けたい。変えるべきものと「変えてはならないもの」とを峻別して、災害救助法のあり方を論じなければならない。
 変えてはならないものの一つは、災害の状況に応じて弾力的に法を運用するという考え方である。それは「特別基準」という救助法の枠組みに組み込まれている[4]。今までの運用を見ると、この特別基準を活用して、40平方メートル(3K)の仮設をつくってきたし、寒冷地仕様の仮設もつくってきた。特別基準で、標準単価[5]をはるかに超える700万円もする仮設住宅を認め、有珠噴火災害や中越水害など多くの災害で「借り上げ仮設住宅」を認めてきた。阪神・淡路大震災では、特別基準を使って希望者全員の仮設入居を可能にしている。
 この3月末の内閣府の告示で、一般基準としての仮設の単価や規模の改正などがはかられたが[6]、それらは上述したように特別基準ですでに実施してきたことで、その改正を、諸手を挙げて高く評価することではない。より大切なのは、実態と必要に応じて弾力的に特別基準を適用することで、被災の状況に応じて支援をはかるという災害救助法の原点に立ち戻ることである。


仮設住宅
第2章 災害保護と自立奨励
 変えてはならないものの一つに、災害救助法の基本目標とその根底にある基本理念がある。
 災害救助法の第1条には、「災害にかかったものの保護をはかる」[7]とあり、その制定時の国会の付帯決議には、「新憲法により保障されている国民の基本的人権及び財産権が侵害されることのないように」とある[8]。
 災害にかかったもの保護とは、災害によって自立あるいは自活できなくなった被災者に寄り添って、被災者が自らの力で立ち上がれるようになるまで救助し支援する責務が国にあることを言っている。被災者の人権を守り被災者に寄り添うことが求められている。
 支援を必要とする被災者が存在する限り、被災者の要件を問わず、国籍や居住地を問わず、支援を必要としているすべての被災者に手を差し伸べることを災害救助法は求めている。被災者の実情に即して対処することを求めているのだ。それを「平等の原則」とか「災害保護の原則」と呼んでいる。
 避難所に来た被災者と在宅している被災者、全壊の被災者と半壊の被災者を、応急支援の段階においては差別してはいけない。支援を必要としている人に必要な支援を与えるのが、救助法運用の基本原則である。この基本原則を忘れると、「避難所の被災者以外には救援物資を提供しない」といった誤った対応が生まれてしまう[9]。
 その一方で、災害救助法は「少しでも自立できる状況にある被災者」には厳しく自己解決を求めている。この自己解決要求を杓子定規にとらえると、特定の被災者しか支援をしないという「救貧主義」の罠にはまってしまう。
 ところで、災害保護というのは「自立を前提とした支援」で、自立できるように支援をはかる「引き出す支援」でなければならない。災害救助法の自己解決主義は、自立を引き出そうとする配慮ゆえのもので、切り捨てることを意図していない。自立を促す対応とセットに災害の保護を考えないといけない。
 救助項目としての住宅の修理は、救助法の制定時にはなかった。制定後3年目に住宅修理は追加されている。自力再建支援をはかる姿勢が、住宅修理支援につながった。全壊の被災者には「与える支援」で仮設住宅の提供をはかったが、それでは半壊の被災者は救えないことが明らかで、半壊の被災者には「引き出す支援」で修理をサポートし自力解決を促そうとしたのである。

第3章 教育を含めた包括的救助の仕組み
 災害救助法から学ぶべきことに、生活保護を包括的に捉えた救助の総合的な体系がある。
 災害救助法の「救助の項目」を見ると[10]、生活の場として避難所や仮設住宅などを確保することはいうまでなく、「衣食」さらに「医職」も救助の主要な項目として位置づけている。医療の支援には、助産も含まれている。
 職業の支援については、「生業に必要な資金の給与又は貸与」として、生業の確保が被災者の自立に欠かせないとの視点が貫かれている。現在は、住宅支援に比べて生業支援が疎かになる傾向があるだけに、これまた原点に回帰する必要を教えている。
 中でも見逃してはならないのは、子どもたちの教育支援である。学用品等の現物支給という形で支援をはかることになっているが、これは子どもの教育が救助や復興できわめて大切だという考え方を反映したものだ。
 現在のように、学校の再開を後回しにしたり、学校の先生を子どもから取り上げ避難者のケアに駆り立てる傾向を見ると、子どもの教育を救助の最優先課題として位置づける災害救助法の原点を、再確認しなければならない。
 災害救助法で何よりも最初に改めるべきは、こうした原点を忘れた姿勢や誤った法の運用のあり方だといっても、過言ではない。

第4章 「現物支給の原則」の幻影
 避難生活をする人には、災害救助法では1日1500円程度の食費が支給されることになっている。それに相当する額を「地域通貨」で被災者に、あるいは「コミュニティ補助金」で自治会等に支給すれば、被災者が自ら地域の店舗等で食材を購入し、高齢者等に優しい食事をつくることができ、被災者の健康増進や被災地の経済復興に寄与することができる。ところが、それをしようとすると、災害救助は「現物支給が原則」だから金券や補助金を渡してはいけないといわれ、冷たいレトルト食品や身体に合わない脂っこい食事で我慢することになり、関連死を誘発する。
 被災者の自力再建を誘導するとともに、住宅建設の行政のノルマを軽減するために、公営住宅の建設にかわって借家入居の家賃補助を実施しようとすると、これまた「現物支給が原則」だからと国からお叱りを受ける。家屋の解体や修理も現物支給ということで、行政が契約した業者が受注して事業を完了するのを、ただただ待たねばならない。その結果、修理も解体も遅れてしまう。それに加えて、被災者の自発性や自助努力を削いでしまう。こうした状況を見ると、諸悪の根源は「現物支給の原則」にあると、思いたくもなる。
 諸外国では、ごく当たり前のように現物支給ではなく現金支給が行なわれているのに、どうしてわが国だけがと思う。ところで、災害救助法の本文のどこを読んでも、現物支給が原則とは書いていない。むしろ、「救助は、都道府県知事が認めた場合には、救助を要するものに対し、金銭を支給してこれを行なうことができる」と、災害救助法の第4条2項に明確にうたわれている。この条項こそ、戦前の「罹災救助基金法」[11]を貫いていた「悪しき現物主義原則」からの脱却をはかる重要なポイントだったのである。
 とはいえ、行政が現物の提供にこだわったのは、被災者に代わって行政が物資を調達し、確実に救助の実効をあげるという「親心」があったからである。災害後の混乱期には物が不足し、制定当時の終戦後では、なおさら物が無かった。その物の無いときには、被災者個人の努力では物資が手に入らないので、行政が物資を手に入れて支援したのである。もっとも「私有財産の形成に税金を使わない」とする財務省の強い抵抗もあったが、・・・。
 被災支援の必要性と物資確保の可能性の両面を見て、現物か現金かを柔軟に判断するのが望ましく、現在のように物の豊かな時代には現金支給にもっと道を広げるべきである。

第5章 住宅の応急修理の活用を
 災害救助法の適用に係わる被害認定は、もともと「ザクッ」としたものであった。救助法の趣旨からして、被災者を助けるために、被災者の声を尊重して、民生委員などの協力を得て、大岡裁き的に認定していた。破損が著しくて修理しても住めない住宅を「全壊」、破損が著しいが修理すると住める住宅を「半壊」とザクッと認定していた。
 その認定に従い、「修理しても住めない人」には仮設住宅を提供、「修理して住める人」には応急修理を提供するというのが、災害救助法の住宅再建支援の基本フレームである。半壊の人にも救助の手を差し伸べるという平等の原則を具体化するものとして、財源の乏しい中で行政の仮設建設戸数を減らす政策判断として、この応急修理が救助項目に付け加わったのである。
 応急修理は、被災者にとってはコミュニティを保持できる、そして何よりも素早く再建ができる、さらには歴史と思い出が詰まった住宅を保全できる、というメリットがある。行政にとっては、仮設住宅の建設戸数を大幅に少なくできる、避難所から多くの人を早い段階で自宅に返すことができる、解体や瓦礫処理のコストも小さくできる、というメリットがある。
 そのように応急修理には大きなメリットがある。にもかかわらず、最近の災害では修理を選ぶ被災者が極めて少なくなっている。その結果として、歴史遺産とでもいうべき伝統的建築が修理して使えるのに、次々と破壊される悲しい事態も起きている。ストックを大切にする省資源の流れにも逆行する結果となっている。復興を遅らせるだけでなく、資源を無駄にすることにつながっている。
 それではなぜ、応急修理が活用されないのか。それは、解体修理に提供される修理単価が極めて少額だからである。仮設を選ぶと出費が無くて済むが、修理を選ぶと100万円もの自己負担が必要となる。となると、経済力のない人は、復興の遅れという犠牲と引き換えに、仮設の道を選んでしまう。それでも、仮設に入居できる人はまだ恵まれている。全壊の認定が得られないなどの理由で、仮設に入れない人が多い。仮設にも入れない、修理も出来ないとなると、被災者には「地獄の道」しか残っていない[12]。
 現在の仮設の標準単価は約500万円、修理の標準単価は約50万円[13]である。阪神・淡路大震災の時は仮設の単価は約120万円、修理の単価は約30万円であった。国の告示で単価が改訂されるたびに、仮設建設のコストと修理工事のコストの格差が広がっていっている。そもそも、災害救助法の修理工事の単価は、最低限の生活に必要な居住部分を修理する工事費として算定されていた。現時点でその考え方を適用すると、修理単価は少なくとも100万円から150万円にしなければならない。国は、仮設の単価は大幅にあげても修理の単価は上げない。
 仮に修理単価を200万円にしても、行政にとっては財政的なメリットがある。にもかかわらず、修理の活用に消極的なのはなぜだろうか。解体工事を増やし、瓦礫処理工事を増やし、仮設や公営住宅の建設を増やして、建設業者を喜ばせようとしているとしか思えない。

第6章 救助法と基本法とのねじれ
 災害救助の最終的責任は国にある。国民の命と暮らしを守る責任が国にある以上当然のことである。とはいえ、国民から政治的にも地域的にも被災者と距離のある国が、具体的に実効性のある救助を実践できるかというと、必ずしもそうではない。
 防災や災害対応は、地域と被災者の実情に沿って実施されるべきものであり、そのためには、地域の実情に詳しく、被災者のすぐそばにあって、いち早くそして細やかに救助が遂行できる自治体が、「防災自治」の考え方に即して、災害救助の権限の委譲を受け、その実質的責任あるいは第一義的責任を取らなければならない。
 ところで、この災害救助の権限と責任のあり方について、再検討あるいは再確認すべき2つの問題がある。その一つは、国と自治体との関係をどうとらえるか、もう一つは、都道府県と市町村との関係をどうとらえるかである。巨大災害の時代、地方分権の時代にあって、行政の中での責任と権限のあり方が、改めて問われている。
 自治体の枠を超えた広域災害が多発する状況の中で、その権限を実質面でも国に集中すべきだとの主張が強くなっている、熊本地震での「プッシュ型支援」は、その表れの一つである。また、財源を介しての国の主導性が強くなっている。その中で、災害救助法の理念を踏まえ、自治体は住民の顔を見なければならないが、国の顔ばかりを見る状況に追い込まれている。いずれにしろ、国の緊急出動か自治体の広域連携かの岐路にある。
 もう一つは、都道府県と市町村の間での権限と責任のあり方の問題である。災害救助法は戦後の間もない時期の、基礎自治体としての市町村が未成熟の時代に制定されている。そのため、災害救助の権限を都道府県に与えて、防災自治を実現しようとした。それに対して災害対策基本法は、伊勢湾台風の後の市町村自治が成熟した時代に制定されたこともあり、防災自治の責務を基礎自治体としての市町村に課している。
 そのため、やや大雑把な言い方であるが、災害救助に関しての権限は都道府県に、責任は市町村という形での「ねじれ」が生まれている。例えば、仮設住宅の基本方針は都道府県が決めるが、用地獲得に走るのは市町村に押し付けられる。昨年の秋に、政令指定都市市長会が権限の委譲を求めての要望書を提出したが[14]、このねじれの改善を求めたものである。
 これについては、一方で、都道府県は災害救助の責任が都道府県にあることを自覚し、その責任をしっかり果たすように努めなければならない、他方で市町村に大幅に権限を委譲して、被災者に寄り添った救助が行われるようにしなければならない、と私は考えている。

第7章 赤十字と中間支援組織
 災害救助は、国や自治体といった行政だけでなし得るものではない。コミュニティ、企業そしてNPOなどの災害ボランテイアの積極的な関与があってこそなし得る。となると、災害救助法でも、災害救助に当たる組織を正しく位置付ける必要があるが、現状ではやや不透明というか不十分である。
 災害救助法では、災害救助の協力機関として「日本赤十字社」を指定している[15]。災害時における民間レベルの団体の支援が、無計画あるいは無統制に行われることの問題を回避するために、その調整の役割を赤十字に期待している[16]。その調整を効果的に行うために赤十字に業務委託し、必要な経費も補償するようになっている[17]。
 世界の動向をみると、赤十字が災害医療だけではなく、広範囲に災害救援活動を行い、ボランテイアの調整の中心的役割を果たしている。ところが日本では、阪神・淡路大震災で、赤十字がボランテイアなどの支援者の調整を果たすことができず、社会福祉協議会や民間ボランテイア団体がその調整の役割を果たしたことから、赤十字ではなく社会福祉協議会やNPOなどが支援者の調整を果たすようになっている。
 この実態が、災害救助法には反映されていない。社会協議会の「社」の字も出てこない。そのため、制度的裏付けもなく保障の仕組みもないままに、社会福祉協議会や災害ボランテイア団体が善意ということで、権限も補償もないままに活動する状況にある。
 ここでは、赤十字と社協、NPOがしっかりスクラムを組んで災害救助に協力するシステムを、法制度面でも明記しなければならない。
 なお、念のための確認ではあるが、被災者を救助するのは都道府県の責任である。その救助の責任を果たすために、民間に援助を仰ぎ、ボランテイアを要請し、ボランテイアセンターを開設するのは、都道府県の責務である。その責務を忘れて、ボランテイアの集まらなかった責任を、社協だけに押し付けることは許されない。

第8章 救助の時間と水準の考え方の見直し
 災害救助法は、昭和の南海地震や戦後の台風災害を念頭につくられたが、南海地震も含めて今ほどの巨大な被害が出ていないので、今のような巨大災害を前提としていない。その結果、(1)復興との連続性が考えられていない、(2)短期決戦主義が貫かれている、という問題点を有している。
 避難所や仮設住宅の居住水準が劣悪なのは、戦後の国民の生活水準の低さをベースにしたこともあるが、避難生活も仮設生活も短期に終わらせるというプログラムに縛られたためである。救助法では、「避難生活は1週間、仮設住宅は2年」というタイムラインを設定している。避難は1週間なので、避難生活はプライバシーがなくとも我慢できる、仮設は2年なので非住宅の水準であってよい、との考え方が財政事情の厳しさも踏まえて貫かれている。
 40年前の酒田大火の応急対応では、避難所は6日目で解消され、仮設住宅は災害の翌日から建設が始まり、最初の仮設住宅は2週間後に完成している。災害公営住宅も、その半数は5か月後に完成している。災害救助法の趣旨に沿って短期決戦で応急対応や生活再建がはかられている。この酒田大火の対応を「拙速要諦」ということで、私は高く評価している。比較的小規模な災害では酒田を見習って、速やかな支援に努めなければならない。
 とはいえ、最近は「ずるずる」と応急対応過程が引き伸ばされる傾向にある。それは、行政に短期決戦の覚悟(救助法の責任を果たす覚悟)がないこともあるが、巨大災害になると避難生活や仮設住宅の長期化が避けられないことが大きい。となると、「急がば回れ」で長期を前提とした救助や生活保護の考え方にシフトする必要がある。
 長期的救助となると、避難生活の環境も仮設住宅の構造も抜本的に変えなければならない。この改善では、最初に述べた特別基準の運用でお茶を濁すのではなく、「短期から長期へ」という救助の基本理念の変更が不可避である。緊急居住から暫定居住そして恒久居住といった形で、救助から復興を「連続的かつ段階的」にはかるプログラムを構築しなければならない。
 限りなく恒久住宅に近い「質の高い仮設住宅」の提供、さらにそれを生かした形での恒久住宅の提供を考えていかねばならない。そのためには、救助法と復興法、さらには予防法とのリンクが不可欠であろう。
※8回にわたり、長文&駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。私の主張には間違いや事実誤認がいっぱいあると思います。みなさんのご批判を通じて、いい救助法につながる契機になれば幸いです。

[1] 日本国憲法は、昭和21年11月3日公布、昭和22年5月3日施行。
[2] 災害救助法は、昭和22年10月18日公布、昭和22年10月20日施行。
[3] 地方自治法は、昭和22年4月17日公布・施行。
[4] 特別基準は、災害救助法施行令第3条2項に規定されている。
[5] 一般基準では、東日本大震災当時、仮設住宅は1戸当たり平均29.7平方メートル(9坪)で、1戸あたり2,530,000円以内とされていた。
[6] 平成29年4月1日の内閣府の告示で、建設型仮設住宅の規模は「地域の実情、世帯構成等に応じて設定」するものとし、1戸あたりの金額が5,516,000円以内に改められた。
[7] 平成25年の改正により、この部分は「被災者の保護」という文言に改められた。
[8] 昭和22年9月26日衆議院厚生委員会の付帯決議には「本法案第十二條、第十三條第二十六條及び第二十七條の規定は、その運用いかんによつては、新憲法により保障されている國民の基本的人權及び財産權が不當に侵害されるおそれなしとしない。政府は新憲法の精神を侵す下級官吏の權力乱用等のことを來さないよう、本法の運營に特別の考慮を拂うこと。」とある。
[9] 避難所以外の被災者に救助が届かなかった事例が続いたため、平成25年の災害対策基本法の改正で、86条の7(避難所以外の場所に滞在する被災者についての配慮)の規定が新設された。
[10] 災害救助法第4条1項は次のとおり規定している。
 救助の種類は、次のとおりとする。
一  避難所及び応急仮設住宅の供与
二  炊き出しその他による食品の給与及び飲料水の供給
三  被服、寝具その他生活必需品の給与又は貸与
四  医療及び助産
五  被災者の救出
六  被災した住宅の応急修理
七  生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与
八  学用品の給与
九  埋葬
十  前各号に規定するもののほか、政令で定めるもの
[11] 罹災救助基金法は明治32年3月法律77号として公布、同年7月施行された。
[12] 東日本大震災以降、仮設住宅にも入れず、補修されない自宅で支援の手が行き届かない「在宅被災者」の問題がクローズアップされている。
[13] 応急修理費の一般基準(平成29年4月1日以降)は574,000円以内である。
[14] 要望書は2016年7月29日に提出された。
[15] 災害救助法1条
[16] 災害救助法の制定時に、昭和22年9月30日参議院本会議で「政府は、日本赤十字社の組織を民主的に刷新し、その内容の充実徹底をはかり、他の團体との十分な協議を保ち、独善的弊害に陥らざるよう適切な措置を講ずること。」との付帯決議がなされた。
[17] 災害救助法15条、16条、19条。

室﨑益輝(むろさき・よしてる)
神戸大学名誉教授/ひょうご震災記念21世紀研究機構・研究調査本部長/ひょうごボランタリープラザ・所長/兵庫県立大学防災教育センター特任教授。
1971年京都大学大学院工学研究科博士課程単位取得中退。1969年から本格的に防災研究を始め、以後、40年以上に渡って防災・復興研究を続けている。 1944年兵庫県尼崎市生まれ。

津久井進(つくい・すすむ)
弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所代表、阪神・淡路まちづくり支援機構事務局長 。
1993年神戸大学法学部卒業。阪神・淡路大震災が起きた1995年に弁護士登録。登録までは市民ボランティアとして活動し、登録後は弁護士として被災地の復興支援にかかわる。その後は、建築士や司法書士など様々な士業でつくる阪神・淡路まちづくり支援機構の事務局長として、全国各地で起きる災害の復興支援に駆け付けてきた。

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
https://y-ide.com
master@y-ide.com

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