西日本の豪雨災害では、恐れていた太陽光発電関係の事故が多発しています。
一つは、大規模太陽光発電施設(いわゆるメガソーラー)です。7月27日現在で、豪雨による浸水や土砂崩れで、京都、兵庫、広島、山口、愛媛の1府4県の太陽光発電所計12カ所が機器の故障や破損などの被害に遭い、稼働できなくなっています。経産省によると、広島県で6カ所、愛媛県で3カ所、京都府と兵庫県、山口県はそれぞれ1カ所が被害に遭いました。
被害状況は、8カ所が施設の浸水による機器の故障で、4カ所は土砂崩れでパネルが破損しました。
特に、兵庫県姫路市の発電所の被害が最も大規模で、兵庫県に大雨特別警報が出ていた7月7日未明、斜面の中腹部に設置された約3500枚のパネルのうち3割ほどが地面ごと崩落しました。
運営する自然エネルギー事業社は「想定外の豪雨が原因。発電所の閉鎖も含め検討しており、対応を急ぎたい」としマスコミに答えています。
さらに、一般家庭のソーラーパネルでも発火事件が起こっています。岡山県倉敷市の真備町地区では、倒壊した住宅に設置されていた太陽光パネルからの出火が5件発生。倉敷市はケーブルがちぎれるなど壊れた状態で発電したことが原因とみています。
災害による太陽光パネルの損壊被害を巡っては、総務省が2017年9月、平成27~28年度に地震や豪雨、突風などで施設損壊が確認された自治体を抽出調査した結果、自治体が危険性を住民に注意喚起せず、感電防止策を取らず放置されていたケースがあったなどと指摘していました。
経済産業は、7月9日に「水没した太陽電池発電設備による感電防止についてのお願い」をホームページ上に公開し、注意喚起しています。
水没した太陽電池発電設備による感電防止についてのお願い
経済産業省(2018/7/9)
西日本地域を中心とした豪雨の影響で、河川氾濫等により、浸水被害が発生しています。太陽電池発電設備は、浸水・破損をした場合であっても光が当たれば発電をする事が可能です。このため、破損箇所等に触れた場合、感電をするおそれがあります。復旧作業中の感電を防ぐため、下記の作業上の注意点を関係自治体へ周知しました。
太陽電池発電設備を見かけた場合には、むやみに近づかないよう、十分ご注意下さい。また、復旧作業に当たられる際も十分ご留意下さい。
【感電防止についての概要】
- 太陽電池発電設備(モジュール(太陽光パネル)、架台・支持物、集電箱、パワーコンディショナー及び送電設備(キュービクル等))は、浸水している時に接近すると感電するおそれがあるので、近づかないようにしてください。
- モジュール(太陽光パネル)は、光があると発電していますので、触ると感電するおそれがあります。漂流しているモジュール(太陽光パネル)や漂着・放置されているモジュール(太陽光パネル)を復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合には、素手は避けるようにし、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)などによって感電リスクを低減してください。
- 感電のおそれがある太陽電池発電設備を見かけましたら、周囲に注意を呼びかけるとともに、ご不明な点等ありましたら、最寄の産業保安監督部または経済産業省までお知らせいただきますようお願いします。
- 壊れた太陽電池パネルを処理する際には、ブルーシート等で覆い遮蔽するか、パネル面を地面に向けて、感電防止に努めて下さい。また、廃棄する際は自治体の指示に従って下さい。
- 水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に水分が残っていることも考えられます。この場合、触ると感電するおそれがありますので、復旧作業に当たっては慎重な作業等を行う等により感電防止に努めてください。
- 水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に残った湿気や汚損により、発火する可能性がありますので、復旧作業に当たっては十分な注意を払い電気火災防止に努めてください。