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「人権」を軽視する政党・参政党の発言に見る差別と社会の分断

管理者 2025年7月10日
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参議院選挙が幕を開け、各政党がそれぞれの主張を掲げて国民に訴えかけるなか、「参政党」の存在がひときわ異彩を放っています。
その理由は、政策の斬新さや未来への提案というよりも、むしろ党代表である神谷宗幣氏の発言に対する強い批判と懸念によるものです。いま改めて問われているのは、「政治的主張の自由」と「人権の尊重」の線引き、そして私たちが目指すべき社会の姿です。

「高齢女性は子どもが産めない」──生殖を軸にした女性観の危険性

まず注目すべきは、神谷氏が7月3日に行った街頭演説での発言です。
「申し訳ないけど、高齢の女性は子どもが産めない。…働け、働けってやり過ぎたんです」
一見、人口減少への問題提起に聞こえるこの発言は、しかしながら、女性を「産む性」として生物学的機能のみに還元し、年齢によって価値を測ろうとする点で、極めて差別的です。女性の人生は、出産だけに収斂されるものではなく、教育、仕事、表現活動など、多様な選択肢のなかで自由に生きるべき存在です。それを「子どもを産める若い女性」にのみ期待をかける発想は、まさに女性の尊厳と自己決定権をないがしろにするものと言わざるを得ません。
この発言の後、SNS上では当然ながら非難の声が噴出し、当該発言部分の映像がYouTubeから消されたことにも「意図的な隠蔽では」との疑念が寄せられました。党は「機材トラブル」と説明していますが、その誠実性は強く問われています。

外国人差別と排外主義──「日本人ファースト」が意味するもの

神谷代表はまた、外国人労働者の受け入れについても強い懸念を示し、「日本人ファースト」を掲げました。
「安い労働力だと言って外国の方を野放図に入れていったら、日本人の賃金が上がらない」
「外国人の犯罪が増えている」
この種の発言は、極めて危険な偏見と無責任な責任転嫁を伴います。経済問題や治安の悪化という社会的課題を、あたかも外国人の存在によるものと決めつける論調は、ヘイトスピーチの典型です。こうした排外主義は、すでに多文化共生を基盤とする現代社会に対する挑戦であり、在日外国人や移民の尊厳と権利を脅かすものです。国際社会が「人種差別撤廃」を明確に求めているなかで、このような言動が政治家の口から発せられることは、社会的分断を招きかねません。

沖縄戦をめぐる歴史修正と被害者への無理解

さらに深刻なのが、歴史に対する向き合い方です。7月10日の演説で神谷氏は、「日本軍が沖縄の人たちを殺したわけではない」
と述べました。この発言は、沖縄戦で多くの住民が日本軍の命令や行動により命を落としたという歴史的事実を軽視し、苦難を体験した当事者たちの記憶を否定するものです。戦争の記憶は、被害者と加害者の視点を冷静に検証し、そこから教訓を導くことで、二度と同じ過ちを繰り返さないために存在します。歴史を歪めることは、被害者の尊厳を損なうだけでなく、社会の倫理的土台そのものを揺るがす行為です。

LGBTQ+の権利を「イデオロギー」と断じる危うさ

神谷代表はまた、「LGBTQや夫婦別姓といった“イデオロギー”にNOを」と発言しています。これも極めて問題のある発言です。
LGBTQ+の人々の権利は、政治的思想の一種ではなく、普遍的な人権として国際的に認められてきたものです。それを「特定政党の思想」として矮小化することは、当事者たちが直面する差別や孤立を正当化する結果につながりかねません。性的指向や性自認に基づく差別を許さないことは、民主主義社会の根幹をなす原則であり、政治的な駆け引きの材料にすべきではありません。

政治に求められるのは「分断」ではなく「尊重」/人権を守る一票を

今回の参政党の一連の発言を受けて、市民や人権団体からの批判は広がっています。参政党の主張には、人権という普遍的な原則に対する根本的な理解の欠如が見受けられます。そして何より、こうした差別的言動が、社会の規範として徐々に「許容されていく」ことの怖さを、私たちは自覚しなければなりません。

政治家の言動は、単なる意見の表明にとどまらず、それを受け取る社会の空気、教育、職場、家庭、あらゆる日常に影響を与える力を持っています。女性、外国人、性的マイノリティ、沖縄の人々──その誰もが、尊厳をもって社会に参加する権利を持っています。その声を「イデオロギー」と切り捨てるような政治が、果たして私たちの未来を担う資格があるのでしょうか。

選挙は、単に誰が得票するかを決めるだけでなく、社会の価値観を示す重要な行為です。私たちが投じる一票には、「どんな社会を望むのか」という意思が込められています。

人権を軽視し、社会の分断を深める政治に対して、明確な「NO」を突きつけること。それこそが、民主主義を健全に保ち、すべての人の尊厳を守る第一歩です。

#参政党

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
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