県が出資法人に行う平成15年度経営評価の結果が、県議会総務企画委員会で報告されました。それによると「緊急の改善が必要」と区分された8法人となったことが、明らかになりました。
経営評価では、自己資本比率や借り入れ返済能力など33項目で出資法人の経営状況を分析し、「緊急の改善が必要」「改善の余地がある」「おおむね良好」の三段階で評価されています。県はそれに基づいて組織のあり方や改善策などを検討することになっています。
昨年度から引き続き「緊急の改善が必要」とされたのは、鹿島都市開発、ひたちなかテクノセンター、茨城勤労福祉事業団、県住宅供給公社、県土地開発公社の5つの法人です。
このうち県住宅供給公社は、既に橋本昌知事が廃止する考えを示し、県は対策会議を設置して廃止への検討を進めています。
(「橋本知事が県住宅供給公社の廃止を表明」を参照)
今回、新たに「緊急の改善が必要」とされたのは、茨城県開発公社、県勤労者余暇活用事業団、いばらき森林サービスの三法人。いずれも昨年度は「改善の余地がある」に区分されていたが、14年度の当期損益が赤字だったことなどから格下げとなりました。
工業団地の開発や整備を行う県開発公社は、13、14両年度にそれぞれ4億7000万円の赤字を計上。公社の借入金の全額、約1400億円を県が損失補償する契約をしているため、分譲用地の処分が進まない場合、県財政への深刻な影響が懸念されます。
県勤労者余暇活用事業団は、大子町の宿泊施設「やみぞ」や日立市の「県立中小企業福祉センター」を運営していますが、累積損失が約4600万円に達しました。「やみぞ」は経営改善が進まない場合、施設そのものの必要性を含めた抜本的な検討を実施することにしています。「県立中小企業福祉センター」は日立市への移管や廃止を検討する予定です。(写真は日立市城南町の県立中小企業福祉センター)
いばらき森林サービスは、森林整備を行う株式会社ですが、公共事業が収入の柱となっており、つくばエクスプレス関連の工事が減少したため、累積損失は約1600万円となりました。経営改善が困難な場合は、法的整理を実施します。