ETC車限定でマイレージ割引・時間帯割引制度を創設
8月26日、国土交通省は、日本道路公団の高速道路での料金引き下げの具体案を発表しました。
割引は自動料金収受システム(ETC)の利用者だけが対象となり、一般利用者への割引案は盛り込まれませんでした。
割引方法は、利用額に応じてポイントがたまる「マイレージ割引」と、通勤時間帯や早朝、深夜などの時間帯限定の「時間帯割引」の2本立てです。
なお、従来のETCの前納割引は廃止されます。首都高速道路や阪神高速道路、本四架橋などは、今回の割引制度の適用はありません。
一部は今秋に先行実施し、2005年春からすべて適用される予定です。
種 別 | 割引内容(案) | |
マイレージ割引 | 一般利用者向けマイレージ | 毎回の利用額に応じたポイントの蓄積を通じて、一般利用者に幅広く還元。一定期間(2年間)の累積利用額に応じて割引し、最大、従来のETC前納割引率(13. 8%)を確保する |
大口利用者対象割引 | 高速自動車国道の大口利用者に引き続き利用促進を図る観点から、従来の別納割引(別納プレート)に代わる制度を創設。毎月の車両1台当たりの利用金額に応じた割引については、一般利用者との格差を是正。特に大口の契約者に対しては割引を上乗せしては割引を上乗する | |
時間帯割引 | 通勤割引 | 大都市を除く地方で、通勤時間帯(例えば6~9時、17~20時)に短距離利用(100㎞以内)の5割引を実施し、高速国道の有効活用を促進する |
早朝深夜割引(時差割引) | 大都市部で、早朝及び深夜(例えば22~6時)の短距離利用(100㎞以内)の5割引を実施し、高速国道の昼夜の利用バランスを適正化を図る | |
夜間割引 | 深夜時間帯(0時~4時)の3割引を実施し、高速国道の夜間利用を促進する |
<関連リンク>日本道路公団における高速自動車国道の料金割引の考え方(案)
マイレージ割引は、利用額50円ごとに1ポイントずつたまる仕組み。100ポイントで200円、200ポイントで500円、1000ポイントで8000円が、それぞれその後の通行料の支払いに使えます。
地方の通勤時間帯の一般道の渋滞緩和と、大都市での高速夜間利用を促進するため、地域と時間帯に応じた割引制度も導入されます。午前0時~4時には全区間で30%割引。東京、大阪の近郊の高速道路では午後10時~午前6時の早朝・深夜に、地方では午前6時~9時と午後5時~8時の通勤時間帯にいずれも50%割り引きます。
運送業者などの大口利用者向けには、不正利用が目立った別納割引制度(別納プレート)に代わるものとして、車両1台の利用額ごとに割り引く制度を導入します。
割引総額で年間4600億円。現在も別納割引やETC前払い割引などで2800億円を割り引いており、値下げ財源を1800億円上乗せすることになります。これは高速道路料金収入1.8兆円の1割にあたり、原資には道路公団のコスト削減で賄います。道路公団の民営化の枠組みを決めた2003年12月の政府・与党合意で「民営化までに平均1割値下げ」と明記されました。小泉首相が7月の参院選の応援演説で今秋からの値下げに言及し、前倒しの実施に繋がりました。
国交省では、8月27日(金)~年9月10日(金)17:00までパブリックコメントを募集しています。
<関連リンク>国交省のパブリックコメント募集のページ