プロ野球の新規参入問題で、livedoorと楽天のアダルトサイト問題が争点になりました。10月14日、プロ野球パ・リーグへの新規参入を申請した楽天の三木谷浩史社長と、liveddorの堀江貴文社長に対する日本プロ野球機構(NPB)による、の第2回公開ヒアリングで、質問が集中したのはインターネットの成人向けサイト。livedoor堀江社長への質問が集中し、物議を呼んでいます。
審査小委員会の豊蔵一委員長(セ・リーグ会長)は、「プロ野球の使命は青少年の健全育成であり、それを妨げるサイトはありますか」と、切り出しました。
楽天の三木谷社長は「アダルトコンテンツはあるが、限定的サービスであり、クレジットカードなどによる本人確認は厳格で未成年は入れない仕組みだ」と答えました。
それに対して、livdoor社長長に対しては、「サイトを調べたら無修正画像がある」「容認しているのか」と執拗に質問。堀江社長は「心ない人が投稿する。発見したら削除しているが、いたちごっこだ。法規制の強化などがないのでゼロにするのは困難だ」と答え、ネット世界共通の課題と説明しました。そのやり取りは、livedoorへの質疑の1/3程も占め、楽天との差が際だちました。
これに関連して、「地獄変00」さんのブログには大変興味深い記事が掲載されています。それは、livedoorのカテゴリーから「アダルト」が、ヒアリングの後削除され、「その他」というカテゴリーに変更されたというものです。記事ではパソコン画面のキャプチャー画像を示し、「10月13日のもの。この時点ではアダルトカテゴリーは健在ですね。ところがその次の日になると……。」「10月14日。ない……。アダルトカテゴリーがどこにもないよ!」「アダルトカテゴリー消滅から数時間後、突然「その他」というカテゴリーが登場。名前は変更されているけどクリックするとアダルトカテゴリーである旨の注意文が表示されます。livedoorでのその他はアダルトって意味なんですかね?」と綴っています。
livedoorもこそくな手を使うものと関心(?)してしまいました。
でも、よく考えてみると楽天も「大人のブックス」という成人図書のサイトを持っています。一応認証が必要な仕組みにはなっていますが、三木谷社長の言うような「本人確認は厳格で未成年は入れない仕組」という表現は適切ではありません。
野球協約の第3条(協約の目的)には「野球が社会の文化的公共財となるよう努める」と記され、今回の審査基準6項目の一つにも「公共財としてふさわしい企業、球団か」の項目がありますので、アダルトサイトは大きな問題ではあります。しかし、その線引きは非常に難しいということを認識する必要があります。
そもそもインターネット関連の仕事をしていて、特にプロバイダーやサイト提供の仕事をしているものが、全くアダルトサイトと関わりを持たないでいることが出来るでしょうか。検索エンジンを提供しているヤフーやグーグルは、アダルトサイトへの道案内をしているともいえます。こうした企業を「公共財としてふさわしくない企業」と日本プロ野球機構はいうのでしょうか。
今回の議論は、インターネットの現状を理解できない人たちが、インターネットの最前線で活動する人たちを審査する、そんなユーモラスな格好になってしまいました。