投票した人に飲食等のサービス券・公職選挙法に抵触の恐れ
11月14日に投開票が行われるつくば市議選・市長選で、筑波大学の学生グループがユニークな取り組みを検討しています。
東京新聞「茨城・地域のページ」2004/11/4
投票したらビール一杯 筑波大生ら目標1000人増やす
「つくば学生投票率向上委員会」で、同大学院一年生の○○○○さん(23)が、集まった学生10数人に議題を振る。
市長選で学生の投票率を上げようと委員会を設立。投票した学生には、居酒屋のビール一杯サービス券や、衣料品店などの割引券を配布するなどの「投票に行かせる」作戦を提案している。
同大には一万人以上の学生が在籍。学生の一人暮らしのアパートが多い地区にある「春日」「桜第12」など投票所4カ所で、投票者を1000人増やす”公約”を掲げている。前回市長選の投票率は64.44%だったが、「桜第12」が24.14%、「春日」26.96%でワースト1、2位だった。
(中略)
つくば市は市長選で「投票済証」を発行しないため、メンバーが四カ所の投票所の前で投票したかどうか確認し、サービス券を渡すという。
学生の皆さんの投票率向上への純粋な気持ちは、大いに評価できます。しかし、忘れていいけないことがあります。それは、今回の市議選では、筑波大学大学院生が現役のまま立候補しているという事実です。4カ所と投票所を限定せず、すべての投票所でこうしたインセンティブによる投票率向上策を行うのであれば、問題はないと思います。特定の候補の地盤に限って、物品を配布する行為は許されるでしょうか。
公職選挙法の運用に詳しい方のご意見をお寄せいただければ幸いです。
これは、この夏の参議院選挙で、早稲田商店会(安井潤一郎会長)が旗振り役となり、全国23商店会・61店舗が参加して行われたキャンペーン「投票率アップ大作戦・選挙セール(以下、セール)」の発想をそのまま拝借したと思われます。
<参考リンク>商店街による投票率アップ作戦の試み―「選挙セール」について
<参考リンク>選挙セール~投票率アップ大作戦~(2004.7.11 参議院議員選挙において作戦決行)
繰り返しての指摘ではありますが、「投票率アップ大作戦・選挙セール」は、当該地域の選挙管理委員会が全ての投票所で「投票済証」を発行するということが前提なのです。一部の投票所だけで配らるのであれば、各候補者にとって平等ではありません。特に、大学関係者が候補者となっている場合、利益誘導や供応などの選挙違反の可能性があると考えられるのですが・・・・