今年度末の国債の残高は、約538兆円に達します。国民一人当たり500万円もの借金を背負い込んだ計算になります。小泉内閣は、財政を健全化させるため、歳出の削減に取り組み、5年前と比べて公共事業は20%、政府開発援助は25%の減。一般歳出全体を見れば社会保障関係費を除いて14%の圧縮を果たしてきました。
しかし、高齢化の影響は大きく、社会保障関係費は5年前と比べて22%の増。今後、高齢化に対応するため、歳入、税制の改革は避けては通れません。その大前提が、行政の徹底した効率化。行財政改革の推進です。
そうした中、公明党は徹底した歳出削減の手法として「事業仕分け」作戦を取り上げました。
「事業仕分け」は、行政の仕事として本当に必要なものを洗い直す作業として、既に8県4市で実施さ、効果を挙げています。
(1)そのサービスが必要かどうか
(2)民間と行政どちらが提供すべきか(民間の方がより効率的に提供できるか)
(3)行政が提供する場合、より効率的、効果的にできるのは国、県、市町村のどこか
――などを順に検討していく作業です。
この作業の結果、その行政機関で引き続き行うべきだとされた仕事は、県で平均60%、市で平均71%でした。
こうした実績に着目し、公明党は、国でも「事業仕分け」作業を4年計画で実施することを提案しています。国の省庁の部局・課ごとに、国・自治体の担当者、民間の専門家が同じテーブルに着いて、すべての事業を、(1)廃止、または統合する(2)民間に委託する(3)地方に移管する(4)国の仕事として残す――と仕分けしていく。そのことによって大幅な歳出削減を実現しようというものです。
この作業の妙味は、「外部の視点」を導入して徹底した論議を行い、行政マンの意識改革を促して、納得の上で歳出削減を実現しようという点に他なりません。
この作業過程では、各省庁が積極的に作業に協力するようにすることが必要不可欠です。そのためには、事業仕分け作業によって生まれた財源は、各省庁が7割ほどを新規事業に使えるようなルールをつくることが必要と、公明党は提案しています。
この作業で一般歳出の2割を削減すると、約9兆円の財源が生み出されます。そのうち6~7割程度(約5~6兆円)を新規事業や重点分野、地方への移譲などに活用します。
それでも約3兆円程度の歳出削減ができることになり、公明党は、その財源を子育て支援の充実や、がん対策、研究開発などに重点的に振り向けることも提案しています。
<参考記事>与野党ともにマニフェストで掲げる「事業仕分け」、横浜市で実施!(構想日本のホームページより)
参考:岐阜県多治見市の事務事業の仕分け作業のホームページ
折りしも、現在各地方公共団体宛においては「集中改革プラン」の策定を進めています。つくば市においても、同様です。昨日の一般質問において、このことを取り上げ、行政・住民・企業・NPO・ボランティアの各主体とどうやって連携していくのか、この本質的なところから仕事の見直しをしてほしいとの主張を行いました。視点としては「事業の仕分け」の観点からと、提言しました。