来年度(2007年度)、国・地方税財政の三位一体改革の一環として、所得税(国税)から個人住民税所得割(地方税)への約3兆円の税源移譲が行われます。
地方分権を進めるために、市町村や都道府県の財政基盤を強化することが狙いです。
税源移譲は個々の納税者が負担する両税の総額を、移譲前後で基本的に変えないよう制度設計されています。つまり、税源移譲で負担が増えることは無いということです。
しかし、課税方式が異なるため混乱や誤解が発生しやくなります。例えば、給与所得者の場合、大半は07年1月から所得税が減り、その分だけ07年6月から住民税が増えることになります。
加えて、同時期に定率減税の全廃が予定されるため、実際には所得税が減る分はより少なく、住民税が増える分はより多くなることになります。
その上、所得税は大半が源泉徴収されるため、減税の実感が余りありませんが、住民税は6月に納付書類が各家庭に送られ、税額が明示されるため、増税感が強くなります。
こうした経緯から地方側には「住民税増税だ、負担増だと誤解され、混乱する事態も招きかねない」との強い危機感があります。
そこで総務省と都道府県、政令市は協力し、10月末にポスター約7万枚、リーフレット約180万部を作成。市区町村にも順次配布し、庁舎に掲示したり住民向け説明会で配ったりすることで、納税者の理解促進に努めることになりました。
特に所得税で新税率の適用が始まる07年1月と、住民税で新税率が適用される同年6月の前後を重点期間に設定。新聞、雑誌、テレビ、ラジオを通じて全国的な広報を展開するなど、税源移譲の意義や税額の変動時期・理由を積極的にPRしていく方針です。