4月1日から、B型、C型肝炎患者に対する医療費の助成制度がスタートしています。この制度は、公明党の強い要望を受け、昨年(2007年)11月、自民、公明両党の与党肝炎対策に関するプロジェクトチーム(PT)がまとめた提言に沿って実現したものです。
肝炎ウイルスの除去に効果があるとされるインターフェロン治療ですが、副作用が強い上、費用が月7万~8万円と高額なことなどから、治療を断念するケースが多くみられました。厚生労働省・肝炎対策室の担当者は、「現在は年間約5万人がインターフェロン治療を受けているが、公費助成制度により、10万人程度まで増えるのではないか」と、受診者の倍増を見込んでいます。
インターフェロンの効果は、ウイルスのタイプなどによっても異なるが、C型の場合、5割から9割はウイルスを除去することが可能といわれています。
インターフェロン治療の助成制度は患者さんの所得に応じて、窓口負担を(1)下位所得者(年収500万円未満)は月額1万円、(2)上位所得者(900万円以上)は月額5万円、(3)その中位に当たる中間所得者は月額3万円――とする内容です。
制度を利用する場合はまず、医療機関の診断書や所得を証明するものなど、必要な書類を保健所に所定の申請書とともに提出することが必要です。そして認定協議会で助成の可否を判定し、認定されれば受給者証が発行されます。その受給者証を医療機関の窓口に提示し、受診する仕組みのとなっています。
この制度の導入に当たっては当初、与党PTの中でも月額1万円の自己負担は、年収255万円未満とする案も出ていましたが、公明党は下位所得者の層を広げるべきと強く主張。その結果、月額1万円の自己負担でインターフェロン治療を受けられる層が大きく拡大された経緯があります。
茨城県の場合も、次のとおりインターフェロン治療に係る医療費の一部助成が始められています。医療費助成を希望される方は、お住いの住所地を管轄する保健所で申請を受け付けています。
なお、今年6月末日までに申請すると、助成期間を4月1日に遡ることができます。特に、本年4月1日時点で既に対象治療を受けられていた方は、早めに保健所にご相談して下さい。
4月21日時点における県内の申請者は29名です。県内には、まだまだ治療を受けている方がいらっしゃると思われます。ぜひ、この制度の利用について、保健所にお問い合わせ下さい。
最寄りの保健所の連絡先は以下をご参照下さい。茨城県の保健所一覧
また、茨城県では5月1日付けで、2つの医療機関を「茨城県肝疾患診療連携拠点病院」として指定しました。
【茨城県肝疾患診療連携拠点病院】
・日立製作所日立総合病院(日立市城南町、院長:岡裕爾氏)
・東京医科大学霞ヶ浦病院(稲敷郡阿見町中央、院長:松岡健氏)
肝疾患診療連携拠点病院は、厚生労働省が、肝炎などの肝疾患に係る医療水準の向上を図る観点から、肝疾患診療体制の確保と診療の質の向上を図ることを目的として位置づけている医療機関です。
今後、この拠点病院の業務について、茨城県は5月中を目途に委託契約を締結し、肝疾患の患者の皆さんが、よりよい医療が受けられるような体制の整備を進めていくことになります。具体的には、肝炎治療の相談支援センターの設置、医療従事者や地域住民に対する研修会・講演会の開催、専門医療機関等との連絡協議会の開催などを行うことにしています。