いよいよ7月7日から環境が重要テーマになるG8洞爺湖サミットが開幕します。G8とは、日、米、英、仏、独、伊、加、露の8か国のことをいいます。G8サミットは、この8つの国の首脳とEUの委員長が参加して毎年開催される首脳会議です。今年、2008年は日本がサミットの議長国になり、福田首相が議長として運営にあたります。
サミットの特徴は主要国の首脳が一堂に会して、その時の需要なテーマについて集中して話し合うことです。通常は複雑な過程をへて各国間で折衝し決められるような事項も、それぞれの国で決定権を持つ首脳が集まって自由に議論すれば合意がしやすく、トップダウンで物事を進めることができます。今回も、世界経済、環境問題、アフリカの発展など、さまざまな問題について話し合われる予定ですが、中でも地球温暖化などの環境問題は洞爺湖サミットの最重要課題になるでしょう。
環境問題で日本のイニシアティブに期待
洞爺湖サミットに先立って行われた2008年1月のダボス会議では、日本は、(1)ポスト京都フレームワーク、(2)国際環境協力、(3)イノベーションの3つの柱による「クールアース推進構想」を発表しています。
これは◎京都議定書の後の枠組みをつくり、温室効果ガス削減に向けて道筋をつけること。◎日本の優れた環境関連技術を途上国に移転し、同時に新たな資金メカニズムをつくって、途上国の排出削減への取り組みを援助すること。◎温室効果ガス排出を削減するための革新技術の開発と、社会全体が低炭素社会へ転換するための取り組みを行うこと。などにより日本が環境問題でイニシアティブをとるという決意の表れです。特に2013年以降のポスト京都枠組みに関する国連での議論では積極的な姿勢が望まれます。
今回の洞爺湖サミットでは、「2050年にCO2の排出量を50%削減する」という目標に向かって、中国、インドなどの近年発展が著しい国々を巻き込んだ新たな国際的な枠組みがスタートできるか。中期的な具体的削減目標を明示できるか。などが、最大の課題になると思われます。その意味では、議長国日本が、アメリカや中国に対してどのように交渉していくか、そこがポイントイントになります。
7月7日は「クールアース・デー」
政府は、地球温暖化をテーマとして開催される洞爺湖サミットの初日、7月7日を地球温暖化問題に理解を深める日「クールアース・デー」とすると決定しました。これはかねてより公明党が提案していたものです。この日は全国各地で午後8時から10時まで一斉消灯が行われ、ライトアップされている施設などの照明が消される“ライトダウンキャンペーン”が実施されます。この催しは今年だけでなく今後毎年7月7日に行われます。 7月7日は七夕の日です。電気を消して星空を眺め、地球の環境に思いを馳せる一夜を過ごしてみるのもいいかもしれません。
農水省は7月7日を地産地消の日と決定
洞爺湖サミット開幕の日7月7日が「クールアース・デー」と定められたのに合わせて、農林水産省はこの日を「地産地消」の推進日としました。最近では“フードマイレージ”という言葉が意識されるようになっており、食品も遠くから運ぶことで、運搬の車などのCO2排出により環境に負荷がかかることが知られるようになりました。地域でとれたものをその地域で消費する「地産地消」は、環境に負荷をかけない消費のあり方として注目されています。 地産地消の日の催しでは、自治体や学校のほか企業にも参加してもらい、学校給食や社員食堂で地場産品を積極的に活用してもらうよう呼びかけを行うそうです。また、地場産品を使ったメニューのコンテストも企画する予定です。
参考:北海道洞爺湖サミットのホームページ