新政権は補正予算の計画通りの執行を
国は「経済危機対策」の一環として、「地域医療再生基金」を設け、都道府県が地域の医療課題の解決に向けて策定する「地域医療再生計画」に基づいて行う、医療圏単位での医療機能の強化、医師等の確保等の取組を支援することにしています。
具体的には、平成21年度補正予算において、地域医療再生臨時特例交付金を確保し、都道府県に交付します。都道府県は、国に提出した「地域医療再生計画」が認定されれば、地域医療再生臨時特例交付金により「地域医療再生基金」をつくり、地域の医療性への具体的な施策を実施することになります。
「地域医療再生計画」の提出期限は今年10月16日で、計画期間は平成25年度末までとなっています。「地域医療再生計画」の終了後においては、急性期医療の充実強化・効率化、病院病床の機能分化および在宅医療の充実を実現するなど、地域における医療に関する課題を解決し、地域における医療が、「地域医療再生基金」がなくなった後においても、よりスムーズに提供される体制確保が求められています。
地域医療再生基金の採択予定地域は、100億円規模の事業が全国10カ所程度。25億円程度の事業箇所が84カ所程度で、総額は3100億円。47都道府県で各々2カ所程度を想定しています。
茨城県でも、現在2つの医療圏でこの地域医療再生基金の採択をめざし、具体な提案の調整を急いでいます。
9月4日、井手よしひろ県議は、県保健福祉部の担当者と意見交換を行い。日立・高萩・北茨城の県北臨海地域の医療再生のために、100億円事業の採択を目指すよう、県への働きかけを行いました。
具体的には、茨城県全体の医師不足を解消するために、医療系の大学との連携の強化や寄附口座の拡充により、茨城県で新たに就職する医師の数を2割程度増員すること。来年度のできるだけ早い時期に「ドクターヘリ」を就航させ、県内の救急医療の充実を図ること。県北地域にあっては、日製日立総合病院に地域救急救命センターを設置するとともの、産婦人科医師の確保に努め、来春には産婦人科を再開すること。日製日立総合病院、北茨城市立病院、高萩共同病院の機能分化や専門家を進め、地域医療の質と量の向上を図ること。北茨城市民病院の建て替えに最大限の支援を行い、身近な地域医療を再生すること。などを、県に対して提言しました。
県は、こうした意見を参考に、10月県議会までには県の方針を具体化し、10月14日には国に対して、地域医療再生計画を提出することになります。
一方、政権交代により民主党は補正予算の執行停止を明言しています。しかし、マニフェストに掲げる子ども手当や高速道路の無料化などより、地域医療の立て直しは喫緊の課題といえます。茨城県としても、地域医療再生基金の執行については、計画通り行うよう、国に強く働きかけるよう、井手県議は併せて申し入れしました。
(写真は井手よしひろ県議が地域医療再生計画に位置づけるよう提案した日製日立総合病院の地域救急救命センターの計画図など)