重症難病患者に非常用発電機とバッテリーの無償貸与を
7月2日、日本ALS協会茨城支部(海野佶支部長)の第15回定期総会が開催れました。創設以来ALS協会茨城支部の支援に携わってきた井手よしひろ県議も出席しました。
ALS(amyotrophic lateral sclerosis)は、日本名を筋萎縮性側索硬化症といい、脊髄の左右の部分である側索が変性して硬化することにより、運動ニューロン(運動神経細胞)の障害が起こり、脳から筋肉への情報が伝わりにくくなり、筋肉機能が消失していく難病です。メジャー・リーグの大打者であるヘンリー・ルイス・ゲーリックもALSの患者であったことから、アメリカではルー・ゲーリック病とも呼ばれています。また、宇宙物理学者ホーキング博士もALSの患者であることは有名です。
今回の総会では、東日本大震災を受け、大規模災害時の重症難病患者の支援策が最大の話題となりました。
在宅で人工呼吸器を装着しているALS患者は、災害などで停電や電力不足に陥った場合、即生命の危機に瀕することになります。また、タンの吸引器、電動ベット、電動車いす、意思伝達装置など、ALS患者は電気のない生活が考えられない状況となっています。
総会では、震災時のALS患者や家族の実体験が報告され、非常用のバッテリーが定格の半分ぐらいの時間しか保たなかった事例や車のシガーソケットから人工呼吸器の電源を維持した事例などを伺うことが出来ました。
国はこうした、震災時の教訓をもとに、茨城県をはじめとする被災地において、難病医療拠点病院・協力病院を対象に、これらの病院が在宅患者に無償貸与するための非常用の発電機と突然の停電に対応できるバッテリー(計約25万円)を購入する費用を助成することを決めています。
県保健予防課は、6月に対象の病院に必要な発電機やバッテリーの数をアンケート調査しましたが、その具体的な制度の徹底や確認が遅れています。
必要なすべての難病患者に発電機と非常用バッテリーが行き渡るよう、ALS協会茨城支部と県、病院との連携を図りながら準備を進めてまいります。