7月30日、井手よしひろ県議ら県議会防災環境商工委員会は、福岡県、佐賀県で県外調査を行いました。福岡空港についた一行は、市内博多区の「NPO法人そよかぜ」を訪れ、濱崎和久理事長より説明を聴取、意見交換を行ないました。
NPO法人そよかぜは、「 助け合いの心で、やさしさに満ち溢れた地域社会を目指す」を理念に、身体がどんな状態になっても、できるだけ長く、住み慣れたこの家で、この街で暮したいとの願いを、叶えるために1998年に設立されました。99年4月にはNPO法人として福岡県で最初に認証されました。現在、配食サービス、家事援助、生活援助、移送サービス、コミュニティーカフェ(高齢者の居場所づくり)などのコミュニティビジネスと介護支援センター、訪問介護センター、小規模多機能介護施設、ディサービスセンターなどの介護保険事業を行なっています。NPO法人としての平成24年度売上は2億2550万円に達し、1450万円の当期利益を計上しています。
濱崎理事長は、「2015年度からの介護保険制度の改正で、要支援者(軽度者)を介護保険から外すとの議論もある」と語り、もしこうした状況になれば「約150万人の要支援介護者の支援は、自治体が担うことになる」と指摘。こうなれば、「今まで同じような介護サービスを提供できなくなるのではなか」との懸念を表明しました。
こうした状況下で、NPO法人そよかぜは「困ったときはお互い様」の心で助けあい活動に取り組んできました。この機会を好機と捉え、この社会課題をコミュニティビジネスの手法で解決したいと語りました。具体的には、「地域通貨:そよかぜ切符」を媒体に、買い物、掃除、庭木の手入れ、洗濯、様々な手続きの代行、食事の準備、通院介助、車での送迎など様々なサービスを提供しています。
現状は、NPO全体の売上の中で1.5%程度しかありませんが、「今後、これまで以上に積極的に進めて行きたい」と力強く語りました。
意見交換で井手県議は、対象なる地域の人口や高齢化率、成年後見活動への参入の移行などについて質問しました。NPO法人そよかぜの活動は、人口が集約する地域でのコミュニティビジネスとして、非常に参考となります。反面、人口が分散する茨城県などには、一層地域に根ざし、行政と一体となったサービスの展開が必要であると痛感しました。