高齢化社会の到来で「肺炎」で亡くなる高齢者が急増。2011年には「脳血管疾患」を上回り日本人の死因の第3位に浮上しました。
高齢者の肺炎原因の70%以上は、細菌を含む唾液や食物を気管や肺に吸い込む事で起きる“誤嚥(ごえん)性肺炎”です。これは、入院中や介護中に歯磨きを徹底できない事に起因する口腔内の衛生状態の悪化で、細菌が発生し、その細菌が体内に入り肺炎が発症します。高齢者施設の入所者に目立ち、歯垢などを取り除く口腔ケアやワクチン接種は予防効果があり、今年度からは手術前後の口腔ケアに診療報酬が認められました。
また、肺炎になる原因の3分の1から4分の1が肺炎球菌による感染症です。
すでにインフルエンザと同じように、肺炎球菌ワクチンが開発され、接種が出来るようになっています。肺炎球菌ワクチンの接種によって、インフルエンザなどに感染して免疫力が低下した患者が、肺炎球菌に感染し重症化することを防ぐことが出来ます。
アメリカでは高齢者の60~70%が接種していますが、これまで日本では高齢者の4~5%程度しか接種をしていないと言われています。
高知県では県を上げて肺炎球菌ワクチンの公費助成実施
県を上げて肺炎球菌ワクチンの助成を行っている高知県によると、「高齢者の発症は重症化して入院するケースが多い。75歳までのワクチン接種が重要。接種後は効果が5年間持続し、入院回数は約5割減、医療費も1人当たり約26万円減少する。高知県全体では約63億円の医療費削減を見込まれる。高齢者のワクチン接種率5割を目指していきたい」としています。
井手よしひろ県議が、茨城県内の高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの公費助成の状況を調査したところ、44市町村中23市町村で助成が行われていました。(2013年7月1日現在、自治体のホームページなどで確認)
公明党茨城県本部では、9月議会に向けて県内の全市町村が、助成を行えるよう働きかけていく方針です。