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ひたみち日記

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井手よしひろが茨城県日立市からローカルな情報を発信中

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都市防災の“隙間”、大阪北部地震から1週間

管理者 2018年6月26日

公明党の現地調査
 大阪北部地震の発生から1週間余りが経ちました。総務省消防庁によれば、6月25日現在、5人が亡くなり、421人が負傷。住宅被害は8089棟に上り、268人が今なお避難しています。一方、被害の全容が明らかになるにつれ、都市防災の“隙間”も浮き彫りになってきました。公明新聞6月26日付けの記事も参考に、検証してみたいと思います。

ブロック塀 教訓は生かされなかった
 今回の地震では2人が倒壊したブロック塀の下敷きになって亡くなりました。大阪府高槻市立寿栄小学校4年の女児が犠牲になった事故では、建築基準法施行令の違反も判明しています。大阪府箕面市では地震後、全公立小中学校のブロック塀の撤去を進めるなど、全国の自治体で緊急の点検・撤去が行われています。
 過去の地震でも、犠牲者が出ています。1978年の宮城県沖地震では、9人がブロック塀の倒壊により死亡。これがきっかけとなり1981年に改正された建築基準法施行令では、高さの制限が「3メートル以下」から「2.2メートル以下」に厳格化されましたが、2005年の福岡県西方沖地震と2016年の熊本地震でも、それぞれ1人の犠牲者が出ています。


倒壊した小学校の塀の様子
 過去の教訓はなぜ生かされなかったのか。住宅の耐震基準のように、ブロック塀にも安全基準があることが一般に知られていないとした専門家らの指摘もあります。6月24日、公明党の山本香苗、杉久武の両参院議員らと訪れた、地震による建築物の被害が集中している高槻市氷室町4丁目在住の女性も、「塀が危険だと認識していなかった」と証言していました。
国の財政措置を含めた迅速な対応とともに“教訓の徹底”が求められています。

密集市街地 避難の迅速化へソフト面の整備を
 地震発生時、被害が集中しやすい密集市街地は、大阪や東京など都市部に多い。密集地の災害対策は都市防災の鍵となります。
 今回の地震により、大阪市西淀川区の密集地で火災が発生し、民家1棟が半焼しました。火災発見が早かったため、延焼を免れたのは不幸中の幸いでした。
 古い木造家屋が密集し、道路が狭く緊急車両が通りにくい。大規模火災になりやすい密集地の特徴がここにあります。住宅の損壊被害が多く出た大阪府茨木市寺田町もその一つです。6月23日、1960年代に建てられた家屋が多いという寺田町を訪れた際、住民の男性は「1軒でも火災が起きたら、燃え広がっていたと思う」と語っていました。
 費用の問題から耐火・耐震建築物への建て替えができない高齢者世帯も多く、ハード面の対策は時間を要します。まずは、いかに避難するかというソフト面での工夫が喫緊の課題となります。

帰宅困難者 情報の発信強化が課題に
 6月18日、朝の通勤ラッシュを直撃した大阪北部地震。鉄道各社が運行を見合わせるなど、影響は540万人以上に及びました。大阪市内のターミナル駅では、帰宅困難に陥った郊外からの通勤客や外国人観光客らの姿も目立ちました。
 内閣府が2015年にまとめたガイドラインでは、帰宅困難者は一定期間、安全な場所にとどまり、状況が落ち着いてから行動するよう求めています。
 今回、帰宅に支障があった人々は比較的落ち着いていたようにも見えました。背景にはSNSの浸透が大きいといえます。家族や勤務先と連絡を取るほか、災害時の情報を得る手段としても活用されました。
 その一方で、一部の公共交通機関が発信した運行再開の見通しが曖昧で、「行動する際の判断に困った」という声も上がりました。
 帰宅困難者に対する輸送方法や一時避難場所の確保、正確・迅速で分かりやすい情報の発信強化など、検証を踏まえた対策が急務となっています。

日本にも”災害モード(エマージェンシーモード)”という社会のシステムをつくるべき
 6月19日、ネットテレビに出演した防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏は「震度6弱、M6.1レベルの地震が来れば、やはり鉄道事業者は一度止めて安全確認をしなければならないし、最善を尽くしたとしても時間はかかってしまう。日本は地震大国なのだから、今回の地震の教訓を活かして、そろそろ”災害モード”という社会のシステムをつくるべきだ」と警鐘を鳴らしました。
 「なぜ必死になって出勤しようとするのか。電車がしばらく動ないことが分かっていても、再開まで駅にいるぞという心理は”エマージェンシーモード”ではない。そのことによって、駅にはものすごい負荷がかかっている。駅員や鉄道事業者の負担を一旦軽減させ、エネルギーを復旧のために使ってもらったほうが経済合理性もある。政府が働き方改革を進めているが、なぜエマージェンシーモードが入らないのか」。と指摘しました。
 渡辺氏は「アメリカの場合、大きな災害が起きると、州知事や大統領が『非常事態宣言』を出すことで、様々な機関がエマージェンシーモードに切り替わる。ハリケーンの時にマイアミでびっくりしたのは、路線バスの行き先が”Emergency”に変わったこと。誰でも乗れるようになり、避難所に向かった。これから我々が迎え撃つことになる巨大地震のイメージが過少評価されている。このままだと、首都直下型、あるいは南海トラフ地震とはとても戦えない。若い皆さんにもぜひ考えてほしい。それをベースにして、政府が企業、社会に災害モードの形を提案する時期に来ている」と訴えました。

インフラ 財源・人手不足で更新進まず
 都市機能に欠かせないインフラは、地震により大きな課題を突き付けられました。高槻市内を走る直径90センチの水道管が破裂。道路は陥没し、周囲が池のようになった光景が象徴的です。
 水道管の法定耐用年数は40年。厚生労働省などによれば、府の全水道管に占める設置40年超の水道管の割合は、全国で最も高くなっています。
 今回破裂した水道管は、設置から55年が経過。老朽化に更新が追い付いていない現状もあらわになりました。更新が進まない理由には、財源や人手不足などが挙げられます。
 地震の影響は鉄道の駅にも及びました。6月24日、公明党の石川博崇参院議員らが視察した阪急南茨木駅では駅舎が損傷。東口は封鎖中で、エレベーターなどバリアフリー機能もまひしたままです。
 このほか、高層住宅が多い大阪を中心に、運転休止したエレベーターは5万基以上。人がエレベーターに閉じ込められるケースは、熊本地震の6倍に上りました。
 また、障がい者や高齢者の視点に立ったインフラなどの点検、補修体制の拡充に加え、老朽化に関する施策の見直しも必要です。

立ち遅れる自治体の防災体制整備
 今回の地震被災地の自治体の制度(地域防災計画)を検証したところ、阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓が多くの自治体でも生かされていなかった事が明らかになっています。
 例えば、要支援者の名簿の共有先が地域防災計画に明示されているかを調べてみると、大阪市や高槻市では全く触れられていませんでした。茨木市では、ア消防機関、イ茨木警察署、ウ民生委員・児童委員、エ社会福祉協議会・地区福祉委員会、オ自主防災組織、カその他市長が適当と判断した関係機関・関係団体と明記されていました。同じく、枚方市では、①枚方警察署・交野警察署、②枚方寝屋川消防組合、③社会福祉協議会、④民生・児童委員、⑤自主防災組織、⑥その他市長が適当と認めたものとされていました。
 要支援者名簿を本人同意なしに関係機関に提供できるかについては、大阪市、高槻市、箕面市には記載がありません。茨木市や枚方市は、災害発生時に要支援者の同意の有無に関わらず、要支援者名簿を効果的に活用することが明記されています。
 関西の中心都市、大阪市の地域防災計画が余りに杜撰なことに驚かされました。

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
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