Skip to content
ひたみち日記

ひたみち日記

井手よしひろが茨城県日立市からローカルな情報を発信中

Primary Menu
  •  ホーム
  • ご挨拶
  • プロフィール
  • 投稿一覧
  • facebook
  • X.com
  • youtube
  • 地創研
  • ご感想・ご意見
動画配信
  • SDGs
  • 環境問題

土壌や水から電気を得る“超小集電技術”の実証施設『空庵』でワークショップ

管理者 2024年7月28日


 7月27日、超小集電技術の社会実装を目指した実験施設「空庵」のワークショップに参加しています。
 空庵はオフグリッドデザインとテクノロジーの実験施設です。自然豊かな茨城県常陸太田市に2021年に開設されました。集電セルの開発や、チャージコントローラシステムの開発など、オフグリッドにおける長時間の安定した生活電力を供給できるテクノロジー開発に寄与できる研究を行っています。
 主宰しているのは、トリパッドデザインの代表取締役中川聡先生。名古屋大学客員教授、元東京大学特任教授。自然界にある微弱な電力を取り出して、実用化しようという取り組みです。


240728kuuan02
 現在空庵で行われているプロジェクトは、異なる金属電極を用いた超小集電技術により、土壌や水(水溶液)からの電気を得る試みです。
 超小集電技術の一環として、土壌や水から電力を得るために異なる金属を用いた電極を利用する方法が注目されています。この方法は、電気化学的な原理に基づき、異なる金属の間で生じる電位差を利用して電力を生成します。
 異なる金属電極を使用して電力を生成する原理は、いわゆる「ガルバニ電池(Galvanic cell)」や「ボルタ電池(Voltaic cell)」の原理に基づいています。異なる金属が電解質(ここでは土壌や水)に浸されると、これらの金属の間で電位差が生じます。この電位差は、電子の移動を引き起こし、外部回路を通じて電流を流すことができます。

土壌から電気を得る超小集電技術
 ガルバニ電池は、二つの異なる金属電極を電解質に浸して接続することで、電流を生成します。たとえば、銅(Cu)と亜鉛(Zn)を電極として用いると、亜鉛が酸化し、電子を放出します。この電子は外部回路を通って銅電極に移動し、そこで還元反応が起こります。この一連の反応により、電流が生成されます。
 土壌には水分、ミネラル、微生物、有機物が含まれており、これらが自然の電解質として機能します。異なる金属電極を土壌に挿入することで、土壌中の成分が電解質として作用し、電位差が生じます。例えば、亜鉛と銅を電極として用いることで、土壌中の水分やイオンが電極間の電位差を生み出し、微小な電流が生成されます。
 土壌を利用したこの集電技術は、主に環境モニタリングデバイスに電力を供給するために使用されています。特に、農業分野において土壌センサーの動力源として利用され、土壌の湿度、pH、温度などをモニタリングすることが可能になります。この技術は、バッテリー交換が困難なリモートエリアでの持続的なデータ収集に非常に有効です。

超小集電技術で水からの電力生成
 水、特に自然水(河川水や海水)には、多くのイオンが含まれており、優れた電解質として機能します。異なる金属電極を水中に浸すことで、土壌の場合と同様に電位差が生じ、電力を得ることが可能です。海水のような塩分濃度の高い水は特に効果的であり、電位差が大きくなるため、より多くの電力を生成できます。
 水を利用した超小集電技術は、海洋観測機器や水質モニタリング装置などに広く応用されています。例えば、海洋ブイに設置されたセンサーが、周囲の海水を利用して電力を生成し、リアルタイムでデータを送信することができます。この技術は、バッテリー交換が困難な深海や遠隔地でのデバイス運用において重要な役割を果たします。

240727kuuan
技術的課題と今後の展望
 異なる金属電極を用いた超小集電技術には、いくつかの技術的課題があります。まず、生成される電力が微小であるため、効率的なエネルギー変換と保存が求められます。また、長期間の使用に伴い、電極の腐食や劣化が発生する可能性があり、これが電力生成効率の低下につながることがあります。
 さらに、電極材料の選定が重要であり、環境に与える影響を最小限に抑えつつ、効率的な電力生成を実現するための研究が進められています。しかし、これらの課題を克服することで、異なる金属電極を用いた超小集電技術は、持続可能なエネルギー供給の一翼を担う可能性があります。
 今、茨城県常陸太田市の空庵では、地球の未来を開く偉大な実験が進められています!

印刷する 🖨
閲覧数 104

Continue Reading

Previous: 大塚国際美術館を訪問、その価値を広く世界に発信を
Next: フェーズフリーの医療宿泊施設“須坂健康の森 RVリゾート”オープン

Related Stories

250921kensyu02
  • SDGs
  • 常総水害
  • 防災

茨城県防災士会のスキルアップ講座/地域に根差した活動を深めるための学び場

管理者 2025年9月21日
250909sdgs
  • SDGs
  • 参政党

SDGsの推進と参政党の誤謬――持続可能な未来のために建設的な取り組みを

管理者 2025年9月9日
250909kokuren
  • SDGs
  • 世界情勢

地球沸騰化の時代に、SDGsを強力に推進

管理者 2025年9月6日



井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
https://y-ide.com
master@y-ide.com

2025年10月
月 火 水 木 金 土 日
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
« 9月    

最近の投稿

  • 日本版ソブリンファンドが開く、新しい未来への扉
  • 日立市の経常収支率が1.9ポイント改善
  • “やると言ったら、やり切る。公明党”ポスターに込めた公明党の魂
  • 公明党が自民党との連立政権に“区切り”
  • 石破総理が「戦後80年に寄せて」の所感公表

アーカイブ

カテゴリー

  • 野鳥における高病原性鳥インフルエンザについて
    2025年10月21日
  • 茨城県の取組「ここがすごい!」(第2次茨城県総合計画~主要指標等実績一覧~)
    2025年10月19日
  • 県民の皆様から寄せられたご意見に対する現状・対応について
    2025年10月17日
  • いばらきパートナーシップ宣誓制度を実施しています
    2025年10月9日
  • 【CHALLENGE IBARAKI】#76 おさやと学ぼう!食品ロス削減対策
    2025年10月4日
  • 自維政権合意 深く危惧
  • 企業献金の規制強化 今国会で法案を提出
  • 地雷除去、日本の支援に謝意
  • 【主張】ドクターヘリの運休 安定的な運航継続へ支援強化を
  • コラム「北斗七星」
このホームページ(Blog)へのリンクは自由に行ってください。
文章の引用等も自由です。
ただし、リンクや引用等によって生じた不利益に対して、管理者はその責任を負いかねますので、ご容赦ください。
Copyright © All rights reserved. | MoreNews by AF themes.