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井手よしひろが茨城県日立市からローカルな情報を発信中

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地球を守ることは、地域を守ること――パリ協定10年、実行のフェーズへ

管理者 2026年1月13日
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パリ協定の採択から10年という大きな節目を迎え、地球温暖化対策は「努力目標」の段階から、国家の存亡と経済の持続可能性をかけた「実行」のフェーズへと完全に移行しました。
1月13日付けの公明新聞の記事より、東京大学の高村ゆかり教授の知見をもとに、現在の地球が置かれている状況と、日本政府が歩むべき道筋について確認しました。

「パリ協定」が世界で採択されてから、ちょうど10年という大きな節目を迎えました。この10年を振り返ると、私たちの社会は脱炭素に向けてかつてないほど大きく動き出しましたが、東京大学の高村ゆかり教授が警鐘を鳴らすように、地球が直面している現実は非常に緊迫しています。

かつて、このまま対策をとらなければ世界の気温上昇は4度を超えると予測されていました。しかしパリ協定という共通の目標が掲げられ、2026年現在では128カ国とEUという、世界の排出量の約78%を占める国々が具体的な削減目標を提出しています。もしこれらの目標が完全に実行されれば、気温上昇を2.3度から2.5度程度にまで抑えられる見通しが立ってきました。これは大きな進歩と言えますが、それでもなお、私たちが安全に暮らすための防衛ラインである「1.5度以内」という目標には遠く及びません。科学が示すところによれば、1.5度目標を達成するためには、2035年までに温室効果ガスを2019年比で60%も削減する必要があります。現状のペースではこの削減量は圧倒的に不足しており、目標を立てる段階から、いかに「実行」に移すかという極めて難しいフェーズに入っています。

温暖化の影響は、もはや遠い未来の話ではなく、私たちの日常を脅かす具体的な数値として現れています。日本では2023年、2024年と立て続けに観測史上最高の暑さを更新し、2025年もまた記録的な猛暑に見舞われました。気候科学の進歩により、こうした異常な高温や激甚化する豪雨災害が、人間の活動による温室効果ガスの排出がなければ「起こり得なかった」ことが客観的なエビデンスとして証明されるようになっています。こうした危機を前に、アメリカが再びパリ協定から離脱するという不安定な国際情勢もありますが、私たちは他国の動きに惑わされることなく、自らの歩みを進める必要があります。

日本政府がこれから取り組むべき道筋は、温暖化対策を単なる「環境保護」として捉えるのではなく、日本の経済や地域を再生させる「成長のエンジン」へと転換させることです。高村教授が提案するように、日本が強みを持つ省エネ技術や高効率な製品を世界に広めることは、新しい市場の創出や雇用の確保に直結します。特に注目すべきは、地方の活性化と脱炭素を両立させる「ソーラーシェアリング」のような取り組みです。農地の上に太陽光パネルを設置し、農業と発電を同時に行うこの手法は、高齢化に悩む農家の収入を安定させ、新しい世代の就農を後押しする力を持っています。

また、日本は「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」などを通じて、アジア諸国と共に脱炭素の仕組みを作っていくリーダーシップも期待されています。環境負荷を減らすことが、同時に地域の人的被害を防ぎ、経済的な便益をもたらす。この「三方よし」の視点を持って政策を立案していくことが、今の日本に求められている最大の対応策です。私たち一人ひとりがこの変化を他人事ではなく、自分たちの暮らしをより良くするためのチャンスとして捉え、知恵を絞っていくことが、1.5度という高い壁を乗り越える唯一の道なのかもしれません。

茨城県は、豊かな平地と日本有数の日照時間を生かして、全国的にもソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)が非常に活発に行われている地域です。高村教授が挙げた「環境・経済・地域の再生」を体現するような事例が、県内各地で芽吹いています。

例えば、筑西市では森ビルと地元農家が連携した大規模なプロジェクトが動き出しています。ここでは約1.3ヘクタールの広大な農地の上空にパネルを設置し、その下で小麦と大豆の二毛作が行われています。特筆すべきは、発電した電力を東京都心の虎ノ門ヒルズに送電して活用する一方で、災害時には筑西市の非常用電源として開放する仕組みを整えている点です。都市のエネルギー需要を支えながら、地域の防災力も高めるという、まさに新しい循環の形と言えるでしょう。

また、那珂市では高さ3メートルほどの架台の下で、神事などに使われる「榊(さかき)」が栽培されています。榊はもともと日陰を好む植物であるため、太陽光パネルによる遮光がむしろ好条件となり、490kWという大きな発電出力と高品質な作物の生産が両立されています。さらに鹿嶋市では、エネルギー企業がニンニク栽培と組み合わせた事業を展開しており、耕作放棄地の解消と再生可能エネルギーの導入を同時に進めるモデルケースとなっています。

技術面でも茨城県は先駆的です。行方市では、太陽の動きを追いかけてパネルが動く「3次元追尾式」の架台が導入されました。これにより、作物が光を必要とする時間帯にはパネルの角度を変えて日光を通し、それ以外の時間には効率よく発電するという、農業を最優先にした高度な制御が行われています。つくば市においても、2013年という早い時期からトマトや大豆、さらには高麗人参など多様な作物の栽培試験が行われ、現在では30件以上のソーラーシェアリングが稼働しています。

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井手よしひろです。 茨城県の県政情報、 地元のローカルな話題を 発信しています。 6期24年にわたり 茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
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master@y-ide.com

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