ダイオキシンを正しく理解して対策を進めよう
「ダイオキシン 神話の終焉(おわり)」(日本評論社)という本が、話題になっています。私も一読して非常に驚かされました。「神話の終焉」の著者は、工学博士の渡辺正さんと農学博士の林俊郎さん。
それによると、ダイオキシンは「史上最悪の猛毒」「もっぱら塩ビの焼却から発生する」「強い発がん性がある」などは、実際とは全く違う。
90年代後半に、一部の研究者やNPOがデータをごまかしたり、曲解したりしてダイオキシン騒ぎをリードした。
その騒ぎの末に作られた「ダイオキシン法」は無益有害の悪法である。
ダイオキシン汚染は、70年代末まで使われた農薬内に高密度のダイオキシン類があり、今も環境中に残留しているためで、人体にはほとんど影響がない。
1999年当時、埼玉を発信地にした「産廃焼却場からのダイオキシンで新生児死亡率が上がった」「母乳中のダイオキシンがアトピー児を増やす」「家庭でのゴミ焼却は危険だ」などの警告は、ほぼ全部事実ではなかった。ということになります。
一読すると、頭を殴られてような気がする本ですが、2度3度と精読してみると、慢性毒(環境ホルモンとしての働き)としての記述が非常に少ないことに気づきます。さらに、ダイオキシン法についての評価もかなり一方的で強引なような気もします。
いずれにせよ、ダイオキシンを正しく理解する意味で一読の価値はあります。その上で、「ダイオキシン法」や焼却炉の新設や整備などの必要性を、もう一 度考えてみたいと思います。
「神話の終焉」を読み終えて、私の「茨城県のダイオキシン対策」を全面的に改訂作業中です。こちらのホームページも是非ご一読ください。
【茨城県のダイオキシン対策】
http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/980610dai.htm
このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。 |